同質性・ワンオペ体制から、多様性・チーム制への転換

──テレワークをして家族で過ごす時間が増えたことで、改めて家族やプライベートの大切さに気付いた人も多いです。一方で、職場や上司に理解が得られず板挟みに悩んでいる人もいます。

 

白河さん:

この数カ月間でテレワークが進まなかった企業であれば、見切りを付けるのも一つの手ではありますが…。

 

今回、テレワークのメリットを体感した企業は多いはずなので、いずれは変わっていくと思います。直属の上司がいわゆる仕事人間で「長時間労働できる人間が偉い!」と言ってはばからなかったとしても、企業がそのような人材を重用し続けるとは限りません。

 

今は会社の動向を見極める時期ではないでしょうか。

 

──そういったお話は、とても心強いですね。これから変わっていく可能性もあるという意見には、希望が持てます。

 

白河さん:

人口が減少する日本では、みんな横並びの「同質性」からさまざまな背景を持つ人が活躍する「多様性」が強みになります。夫が一家の大黒柱として稼ぎ、妻がワンオペ育児でサポートをするという形ではなく、仕事も家事も育児も夫婦で協力するチーム制の家族が増えていくと思います。

 

企業でも、これまでのように「人は管理しないとサボるもの」という性悪説に基づいて管理を強めるのではなく、ある程度社員を信頼して任せる自律型のマネジメントが求められていくでしょう。

 

そうなると、仕事だけでなく私たちの生活も大きく変わりますよね。働き方改革は、暮らし方改革とも言い換えられるのです。

 

──働き方を変えることで、私たちの暮らしも変わるんですね。最後に、働き方に対して悩んでいる人たちに向けてメッセージをお願いします。

 

白河さん:

「元の世界に戻るのは難しい」ことを理解するべきです。

 

仕事と育児の両立が今は大変でも、様々な人を巻き込んで働くことを諦めず、色々新しい可能性を模索してほしい。 外出制限下でタクシー業界がスーパーの生活必需品を運ぶ仕事を担ったように、「自分にはこれしかできない」と決めつけなければいくらでも仕事の需要はあるはずです。

 

不安を感じる人は、皆と一緒でなくても焦らないこと。自分の心の状態と向き合い、できれば家族や友人、子どもなど信頼し合える人と思っていることを話し合えるといいですね。

 

今の時代は変化のさなかにあります。世界がどうなるか分からないのだから、自分の現状を見つめ直す、客観視する時間に当てるのも良いのではないでしょうか。

 

… 働き方改革は、私たちの生活を変える「暮らし方改革」でもあるという言葉が刺さりました。次回はコロナ禍で働き方が変わった読者の座談会を通して、これからの働き方について考えていきたいと思います。 https://twitter.com/CHANTO_magazine/status/1276438849611116548

取材・文/秋元沙織