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それでも上司をCCに入れておくべき本質的理由

仕事

2019.07.21

インターネットの普及によってコミュニケーションの形態や効率性が急速に変化し、それに伴って生じる課題も複雑化しています。とくに、世代がだいぶ異なる上司や部下とのやり取りには難しさを感じる人は多いのではないでしょうか。
そんな中でコミュニケーションにおける‟手抜き術”を教えてくれるのが、須田仁之氏。「捨てる」「手を抜く」「考えない」をモットーとする氏が考える、‟最良のコミュニケーション術”とは?
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当記事は「東洋経済オンライン」(運営:東洋経済新報社)の提供記事です

 

上長や社長をCCに入れて情報共有する


仕事で最も困ることの1つが「コミュニケーションロス」です。

 

上司や関係者が同じ情報を把握していれば事前に解決できたのに、自分や相手先の現場が上司と共有していなかったり、勝手な判断や勘違いをしたために、「言った/言わない」の争いが発生する、間に人が入って伝言ゲームになる……というトラブルが起こることが多々あります。

 

こうしたコミュニケーションロスを回避するための有効な手段は、原則はテキストでのやり取りをすること。やり取りする相手が重要であればあるほど、上長や社長を「CC(あるいはグループ)」に入れて自動的に共有してしまうことです。

また、「情報共有されてないかもな」と感じたら、やり取りの途中からCCに上司を入れるのもトラブルを未然に防ぐ手です(先方の心証もあるので、空気を読んだうえでやるべきですが)。

 

僕の若い頃は、上司から「CCにオレを入れるなよ、雑音なんだよ」と言われたりもしましたが、へこたれてはいけません。

そもそもこれは、手抜きというよりも、よりスピーディーで正確な、最良の方法だからです。

 

人は、なかなか相手の言っていることを正確に把握できず、自分なりの考えで自分なりに解釈したり、言い訳めいたものが入ったりしてしまうものです。

ですから、情報は途中で加工せず、生の情報をそのまま伝えるべきなのです。

 

例えば、仕事で取引先とのトラブルが発生した場合、トラブル経緯などをまとめた「報告書」を上司に提出したりするケースがありますが、そもそもCCに入っていればほとんどの経緯は共有できているはずなので、その資料を作る手間が省けます。

 

また、部下がCCを入れずに勝手にメールしてトラブルに発展してしまったときなどは、経緯メモを作らせる時間がムダですし、部下の言い訳っぽいニュアンスも含まれたり、本質からズレていることもしばしばあります。こんなときは、「そのやり取りメールを全部転送して」と言うだけで済ませたほうが、はるかに効率的です。

 

二度手間で情報の正確性が劣る書類などを作らず、やり取りをそのまま転送する。それがもっとも効率のいい「コミュニケーションロス」をなくす方法です。

 

僕も昔は「お前、転送するだけじゃねーかよ。自分で考えろよ!」などと上司からも言われたものですが、上司ならばぜひCCを奨励するべきですし、繰り返しますが、へこたれずに頑張って続けましょう。

 

また、複数のコミュニケーションツールを使ったり、スマホで連絡を取り合ったりする場合、やり取りをスクリーンショット(スクショ)で撮って転送するという手段も有効です。

 

例えば、LINEでの会話のやり取りをスクショし、その写真をメールやFacebookメッセンジャーに添付して、そのやり取りをそのまま見せたうえで報告するということです。

 

LINEなどは相手の顔がアイコンで表示されたりしているので、会話の赤裸々さも伝わります。スマホ時代の情報共有術としては、スクショ転送は必須といえるでしょう。

 

デメリットがあるとすれば、写真フォルダにムダなスクショがたまってしまうので、定期的に削除するぐらいです。ただ、写真整理のついでにやればいいので、これぐらいは我慢しましょう。

 

すべてをテキストコミュニケーションで済まさない


IT業界ではさらにテキストコミュニケーションの処理スピードが進化し、Gmail、Facebookメッセンジャー、Slack、Chatwork、Skype、appear.in、LINE、Confluenceなど、さまざまなツールやサイトを多用しています。

 

これらのテキストコミュニケーションが普及したことによって、履歴が残り、電話時代の「言った/言わない」の齟齬(そご)はかなりなくなりました。同じ内容を複数人に同時に伝えられますし、受け手側もいつでもどこでも受信でき、自分のタイミングで受け取れるので、効率性は格段に上がりました。

 

かといって、スピードと効率ばかりを重視して、すべてをテキストコミュニケーションで済ますというのは、ちょっと違うと思っています。

 

冷たい印象を与えてしまうテキストのメッセージは人間関係のすれ違いの原因になることも多く、効率化を徹底しすぎて、「人の気持ち」が離れていく、ひいては組織全体にダメージをもたらすこともあるでしょう。

 

また、「個人」で捉えると確かにスピードと効率は上がっているのですが、「組織」においてはそのきしみが垣間見えることもあります。

 

つまり、日々のテキストコミュニケーションが膨大になり、「処理できる人とそうでない人」の格差がどんどん広がってしまうのです。「Slackで送ってるよね?え?読んでないの?」みたいなコミュニケーションです。まさにデジタル化の弊害と言えます。

 

この弊害を解消するには、コミュニケーションの「時と場所」を変えることです。直接会って1時間話し合ったり、時には場所を変えて居酒屋で議論したり、休日に箱根の温泉旅館で語り合ったり……。

 

「いちいち居酒屋で3時間も飲むしかないのかよ、面倒くせぇ」

「せっかくの休日に行きたくもない箱根に行くのかよ」

「時間のムダだから、平日の朝早く来て話せばいいじゃん」

 

などと効率重視で考えると、相互理解から遠のくばかりか、逆に関係が悪化してしまうこともしばしばあります。

 

効率化を重視してしまう「ハイパフォーマー・マネジャー」が組織のマネジメントをする際に陥りやすい現象です。

 

「人」はロボットではないので、効率化には限界があります。テキストコミュニケーションと対面のコミュニケーションを上手に使い分けることも、仕事の効率化において重要なことなのです。

 

1泊2日の「合宿」のススメ


近年では、さまざまなベンチャー企業が「合宿」を行っています。

 

有名なのはサイバーエージェント社の「あした会議」で、役員やチームリーダーが1泊2日で未来の事業や課題解決を徹底的に議論します。そこで決まってスタートした新規事業は30にも及び、すでに営業利益100億円を叩き出しているといわれています。

 

僕が携わっているベンチャー企業でも「経営合宿」と称して、経営陣、5〜10名ぐらいの規模で、今後の経営方針や事業計画、その他日常では話せない重要事項を議論しています。

 

ただ、ここでの議論云々は実は二の次であり、日常のオフィスから離れた場所(例えば東京近郊であれば、伊豆、箱根、鎌倉など)で、「同じ釜のメシを食い」「一緒に風呂に入る」という非日常行為の共有のほうが大切だと思っています。

 

また、メシ&風呂のあとの2次会において、各人のプライベートや仕事に関係ない趣味の話などをすることも、お互いの相互理解という観点でとても重要です。

 

「同じ釜のメシを食って、風呂で裸の付き合いを! 」なんて昭和的な考え方ですが、実は効果バツグンなんです。

 

同じ言語を使っている日本人同士でも、メールやらSlackやら最新のコミュニケーションツールを使っていても、とにかく「すれ違い」ます。

 

終身雇用が崩れ、会社と個人の関係が変わっていく中で毀損しがちな「個々の相互理解」を押さえておかないと、仕事は進めづらくなっていると感じます。

 

「飲みニケーション」に代わる進化した距離の縮め方


昔であれば、社員同士の「飲みニケーション」というものがあり、上司部下でお酒を飲みに誘ったりして、普段業務中では話さないようなことをお酒のチカラを借りながら「ぶっちゃけトーク」をすることで、お互いの距離を縮めることができました。

 

ただし、昨今では飲みに行かない若者が増えて、上司も誘いづらく、飲みニケーション文化は崩壊気味になっています。このボトルネックを外すために、僕が必要だとここ最近強く思っているのが、飲みニケーションの進化版である1泊2日の「合宿」なのです。

 

日頃一緒に飲みに行かなくても、年に1回行けば十分です。多くても苦でなければ、半年に1回や四半期に1回でもいいでしょう。

 

ベンチャー企業だけでなく今後の働き方改革の中でも、会社という単位だけでなくとも「合宿」は必要になってくると強く確信しています。ぜひ、みなさんの企業でも、日々の飲みニケーションの代わりに、年1回の「合宿」を効果的に取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

『捨てる。手を抜く。考えない。月460時間労働から抜け出した私の方法』

 

文/須田 仁之(上場請負人

 

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