数十年が経ってから訴えるケースも

いま、幼少期に性被害を受けていた女性が、大人になってから加害者を訴えようとしたときに「時効の壁」にぶち当たり、被害を認められないケースが問題になっている。 ただでさえ人には言いづらい性被害。子どもであるならなおさらだ。しかも子どもの場合、性的虐待と気づかないことも多いうえ、「自分が悪い子だったから被害を受けた」と思って黙り込んでしまいがち。成長してから被害に気づいても、「知られたくない」「忘れたい」と思い、うつ病やPTSDなど心の病を抱えることになる人も多い。

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性的虐待が家庭内であった場合、子どもはさらに訴えにくい。周りが“身内の恥”として、隠してしまうケースも少なくない。子どもには、一生かかっても消えない心の傷が残るというのに…。 誰にも言えず、誰にも相談できないまま大人になり、心の折り合いがつくのが3040代になってからというのはざらなのだ。 しかし、それではすでに時遅し。証拠が少なく、立証も難しいこれらのケースは、訴訟をおこそうとしても、民事、刑事ともに時効を迎えている場合が多い。 10歳で受けた強制わいせつ罪が、17歳で訴えた時に時効のために棄却されるなんて、時効期間が短すぎる! そんな現実を鑑み、時効を伸ばし、被害者が訴えをおこしやすくしようという動きが、いま実現となりつつある。