2018.02.26
2019.11.30
【この記事は、CHANTOママライターによるウェブ限定記事です】
ライター名:草間小鳥子
朝夕のラッシュ。通勤電車内はもちろん、駅のホームや構内では、仕草が乱暴な人も見かけます。こちらに非はなくても、思わぬところで口論やいざこざに巻き込まれ、暴行事件に発展……ということも、起きかねません。
もし、よく利用する駅で、自分が「被害者」になってしまったら?
私の経験をもとに、泣き寝入りしないためのポイントをまとめました。
事件に巻き込まれたら!?
平日夕方のラッシュ時間、駅のコンコース内で、事件は起きました。私を追い抜きざま、肩口にぶつかってきた会社員風の男性がそのまま足をとられ、腹いせに私のふくらはぎを蹴ったのです。
「暴力ですよ!駅員さん、警察を呼びますよ!」
私が大声を出すと、男性は驚き、そのまま改札の向こうへ走って逃げてしまいました。普段から利用する駅なので、こういったいわれのない暴力が許されていいはずがない。そう思った私は、まず、駅員さんに事の顛末を話しました。すでに犯人が逃走していたので、
「まずは最寄りの交番へ」
とのこと。夕方の忙しい時間ではありましたが、その足で交番へおもむきました。
被害届を出すかどうか?
「被害届を出しますか?」
事の詳細をきいたあと、警察の方はこのようにたずねました。
被害届を出すと、「暴行事件」として捜査され、もしも加害者を付き止める事ができたら、それ相応の処罰が下ります。ただ、被害届を出すのには実況見分等で時間がかかるうえ、人目にさらされます。さらに駅構内で犯人逃走後となると、情報開示の手続きが厄介なこともあり、加害者を特定するのは難しいそうです。特定できたとしても、逆に、相手からも被害届を出されてしまう、なんてケースも。
それでも、被害届を出さなければ、被害者はやられ損、泣き寝入りをするしかありません。自分の気持ちをしずめるためにも、被害届を提出することに決めました。
被害届受理まで〜どんなことをするの?
まずは、カメラで四方から写真を撮影されます。これは、あとで防犯カメラをチェックする際の服装等の参考に。
そして、実況見分へ。
被害にあった場所へ警察の方と同行。だいたいの場所と時間、どちらから相手がやってきて、自分はどうしていて、どのような被害を受けたのかを、口頭で説明します。
つづいて、防犯カメラのチェック。
警察官の方が実況見分をもとに駅の防犯カメラ複数台をチェックし、事実確認をおこないます。そのあいだ、駅員さんに一室、部屋をかしていただき、私は待機していました。
まもなく、被害の瞬間のカメラ映像が特定でき、私も画像を確認。ぶじ、被害届受理となりました。
それから、被害者本人が事件場所を指さししているところをさまざまな角度から撮影されます。さらに、被害にあった身体の箇所の指さし——私の場合は、ふくらはぎを蹴られたので、足でした——写真を撮って、交番へ帰ります。
交番では、警察の方が作成した被害届の内容や文言に誤りがないかを確認し、住所氏名等を記入し、捺印(印鑑のない場合は、指印となります)。
最後に、「けがはしていないので、病院へは行かない」ことを確認されます。病院で診断書をもらうなどしたら、暴行事件ではなく、傷害事件となり、扱いが変わってくるからです。
はじめに交番へ行ってから、すべての手続きが終わるまで、トータルで一時間半ほど。警察の方が迅速に処理してくださった事もあり、思ったより、長くかかりませんでした。
あのとき、どうするのがベストだった?反省
さて、被害届は出せましたが、実際、事件に巻き込まれたとき、どのように対応するのがベストだったのでしょうか?
「犯人逃走後」というのが、加害者特定を困難にします。そうはいっても、その場で加害者を取り押さえるなど、至難の業。家族の事を思うと、無理はできません。私の場合、大声を出したのは正解だったと言われました。まわりの人や警備員さんが、運よく加害者を取り押さえてくれる事もあるからです。
では、そのほかに加害者を逃がさないために、できることとは?
警察の方によると、「携帯電話で110番通報をしながら、加害者を逆上させないように気づかれないよう後を追う」。これがもっとも、犯人確保につながり、同時に、被害者の安全も守られるので、捜査がしやすいようです。ただ、一番大事なのは我が身の安全。危険を感じたら、すぐにその場を立ち去るようにしましょう。
被害届は出せて、幾分すっきりしましたが、このストレス社会。いつまたおなじようなことが起こるかもしれず、悶々とした気持ちが残ります。警察の方々が、懇切丁寧に対応してくださったことだけが、唯一の救いでした。
1、事件に巻き込まれたら、大声で助けを求める
2、なるべく加害者が逃走しないようすぐに通報を
3、被害届は出したほうが自分の精神衛生上よい