2019.11.06
友人関係とは異なり、付き合う人を選り好みできないのが仕事上の人間関係というもの。特に、何もかも自分を中心に物事を考えている自分勝手な人との付き合いは疲れますよね。
そこで今回は、職場に一人や二人はいる自分勝手な人との上手な付き合い方をご紹介します。人間関係で悩んでいる方はぜひ参考にしてみてくださいね。
自分勝手な人と上手に付き合うコツとは
一緒にいるだけで体力やメンタルを削られる“自分勝手な人”。避けることができれば一番ですが、仕事上の付き合いだとそうもいかないことが多々あります。
そのときは、次の方法で上手にかわしてみましょう。
あくまでも受け身のコミュニケーションに徹する
業務上問題がなければ、物理的に距離を置くのが最も簡単で効果的な方法です。頑張り屋さんな人ほど「ちゃんと向き合わなくては」とつい努力してしまいますが、それが自分の首を締めているということも。
どうしても性格が合わない自分勝手な人が相手の場合、割り切ってドライな関係を築くというのも一つの方法です。とはいえ、相手から話しかけられているのに無視をするのは社会人としてやってはいけないことなので、相手から何か言われた場合はきちんと返事をしましょう。
自分勝手な人にあえて頼みごとをしてみる
普段、自分の都合のみを優先して頼みごとをする自分勝手な人は、あまり人から頼られることはありません。
そこで、あえて頼みごとをしてみるという荒療治もおすすめ。相手の都合を無視して好き勝手に頼みごとを押し付けられることが、いかに面倒でいかに嫌なものかを身を以て理解してもらうのが狙いです。
仕事を大きく左右するような重大な頼みごとはトラブルなどに繋がる可能性があるので、ささいな頼みごとをしてみましょう。コピーをお願いしたり、備品の補充をお願いしたり、断るほどではないけど地味に面倒なことを頼んでみるのがポイント。
「仕事が忙しいときに頼みごとをされるとこんなに嫌なものなのか…」と気付くことができれば、自分勝手な人も心を入れ替えてくれるかもしれません。自分勝手な人と建設的な関係を築いて行きたい人におすすめの手法です。
無理なことに対して「NO」と断る勇気を身につける
人を変えることは難しいですが、自分自身の考え方や行動を変えることはできます。自分勝手な人の振る舞いに困っている場合、まず自分自身を変えることから始めてみましょう。
自分勝手な人に振り回されやすい人の特徴のひとつが「断れないタイプ」ということ。相手との仲が険悪になるのが嫌で、つい頼まれごとを安請け合いしてしまっていませんか?
自分さえ我慢すればなんとかなる、と思ってしまう気持ちもわかりますが、それは本来する必要のない我慢です。我慢することに勇気を使うより、「NO」と断ることに勇気を使ってみましょう。
大切な人の場合は根気強く話し合う
自分勝手と感じる相手が大切な同僚や、これから育てていきたい後輩の場合、いつまでもその振る舞いに付き合っているだけでは、ストレスがたまるだけでなく、相手のためにもなりません。
このようなケースの場合、一方的に我慢するのではなく、自分の気持ちを相手にきちんと伝えることが大切です。「あなたとはこれからもいい仕事仲間でいたいから」「あなたに期待しているから」と、なぜ指摘するようになったのか、理由までしっかり伝えましょう。そうすることで相手が感情的になるのを抑えることができます。
最終手段・「こういう人なんだ」と受け流す
自分勝手な人と接していると、イライラしたり、疲れたりと精神衛生上良くないことばかり。
しかし、こうした気持ちになるのは、あなた自身が「相手に変わってほしい」と期待をしているからともいえます。この“期待”をするのをやめてみましょう。
「この人はこういう人なんだ」と諦めて接する、相手の身勝手な言動をサラリと受け流すことができ、イライラや疲労から解放されるはずです。
そもそも自分勝手な人とは?
「自分勝手な人」と一言で言っても、そのタイプはさまざま。どんな特徴があるのか、改めて確認してみましょう。
特徴① 自分の価値観を人に押し付ける
自分勝手な人に多いのは、「価値観を押し付ける」ことです。自分が良いと思ったものや楽しいと思ったものが絶対的に正しいと思い、他人にグイグイと勧めてきます。悪意があるわけではなくても、無理やり押し付けられる側としてはなかなかストレスがたまります。
具体例としては、食べ物が良い例ではないでしょうか。
「これおいしいよ!」と勧めてくれるのはいいのですが、「苦手だから…」「アレルギーがあるから」と言ってもなかなか退いてくれず、「もったいないから」「一度食べたら好きになるよ!」など、相手が苦手と言っているにも関わらずしつこく勧めてくる人がいますよね。相手の都合や意見を無視して自分の意見を押し付けるのは、自分勝手の代表例と言ってもいいかもしれません。
特徴② 自分が話題の中心でないと気が済まない
常に自分が一番に注目されたいというのも、自分勝手な人の特徴と言えるでしょう。
常に話題の中心にいたいがため、他の人が話しているにも関わらず「私の場合はね」と、すぐに自分の話題にすり替えてしまう人は要注意です。
特徴③ 交友関係は広め
自分勝手な人は周りから距離を置かてしまうイメージがありますが、実は意外とそうでもなく、むしろ交友関係が広いことも多いようです。
自分勝手な人には、人から好かれたいという欲求があるケースが多く、社交的です。ただし相手と対等な関係が築きたいというよりは、自分のことを称賛してくれたり、自分の言うことを何でも聞いてくれるような人と付き合いたいということが多め。
普通の同僚と付き合っているつもりでいると、「あれ?」と思うようなことがあるかもしれません。
なぜ自分勝手になってしまうのか
健全な人間関係を築くうえで、相手を思いやることや譲歩することや当たり前です。その前提で自分勝手な人に接していると、「なんだか私ばかり我慢している気がする…」と思うことがちょくちょくあります。
そんなとき、相手がなぜ自分勝手に振舞っているのかがわかると、冷静に対応ができます。
「自分さえ良ければいい」理論で動いている
自分勝手な人に多いのは、他人のことなどお構いなしで「自分の居心地のいいことが最優先」ということ。相手の立場に立って物事を考えないので、そもそも自分勝手だと気が付いていないケースもあるようです。
「これぐらいなら頼んでもいい」と甘えがち
「自分さえよければいい」と思っていると、相手に面倒ごとを押し付けることに対してためわなくなるのか、自分勝手な人は相手の都合を無視して頼みごとをすることが多いようです。
特に、雑用などの小さなことばかりを相手に押し付けるので、頼まれた方も嫌とは言えず「これぐらいなら…」と引き受けてしまいがち。自分勝手な人はその気持ちに甘え、また面倒ごとを押し付けてしまうという悪循環ができてしまいます。
毅然と振る舞うことが自分のためになる
身の回りに一人はいる「自分勝手な人」。仕事上の付き合いだと、気軽に関係を断つわけにもいきません。とはいえ、自分が我慢ばかりしていても、自分勝手な人との関係が良好になるわけではありません。
「私が我慢すればいいのかも」「私が努力しなくちゃいけないのかも」と自分を追い込む必要はありません。ときには無理なことや嫌なことに対してはっきりと「NO」と伝え、自分勝手な人と健全な関係を築いていけるといいのではないでしょうか。
文/佐藤仁美