2019.03.25
いまや社会のいたるところに存在するハラスメント問題。なかでも、職場においてしばしば問題になるのが「セクハラ」です。一般的には若い女性社員が被害者になることが多いイメージですが、ママたちの話を聞くと、むしろ「そこそこ年齢がいったママ社員に被害者は多い」との声が…お話を聞きました。
苦笑いしてたらエスカレート(あいりさん/36歳/企画)
2人目の育休を終えて職場に戻ってきた私を待ち構えていたのは、50代の男性上司のセクハラ発言でした。産休に入る前の関係は良好で、そんな発言はなかったのですが。
「あれぇ? 久しぶりに見たら、ちょっとおっぱい縮んじゃったんじゃないの?」
「やっぱり2人産んだら小さくなっちゃうんだねぇ」
と、あいさつがわりに言われてギョッとしました。重ねて言いますが、産休前はこんなことはありませんでした。彼の中で何が変わってしまったのでしょう? 曖昧に「はぁ…」と苦笑いしていたら、状況は日に日にエスカレート。
「3人目は? がんばってるの?」
「でも、旦那さんももうお疲れかなぁ」
ついに腹が立ち「いい加減にして下さい!」とブチギレてしまったんです。周囲は静まりかえり、上司は「あ…すまん…」と意気消沈。それ以来、彼の口からセクハラ発言が出ることはなくなりました。
悪気がないからタチ悪い(ももこさん/41歳/レジ)
私の体型が少しふっくらしていることに対し、パート先の店長によくからかわれます。
「いやぁ、いいお尻してるねぇ」
「やっぱり女性は、このくらいがちょうどいいよね」
と…本人に悪気はないようですが、私にとっては不愉快極まりありません。
「うわぁ、プルプルだ!」と私の二の腕を触ってきたこともあり、これにはさすがに「ちょっと、やめてください!」と言ったのですが、「もー、怒らないでよ~」と茶化されるだけ。私のほかにも女性従業員はいますが、みんな学生さん。でも、その子たちに対しては、こんな発言はしません。
先日は「いまの子はちょっとしたことで、すぐにセクハラって言うからねぇ」とボヤいていたんです。思わず「いや、私に言ってたのもセクハラですから!」と突っ込みましたが、「はは、そう言われたらそうかもねぇ」と、また笑って済まされてしまいました。
うっすらですが自覚はあるようですし、今度言われたら、ガツンと抗議するつもりです!
若い社員にはお触りしない(あかりさん/35歳/事務)
職場の上司のボディタッチに悩んでいます。「おつかれさま~」と言って肩を揉んできたり、「おはよう!」と言いながら背中にタッチしたり…しかもちょっとだけ、スリスリさするような動きも交えてくるんです。せっかくやる気で出社しても、一日の始まりからこれじゃ気分はどんより。
そんなある日、女性スタッフだけがいた時に、「◯◯さんって、ボディタッチしますよね…」とついグチをこぼしたんです。すると、若い女性社員たちは「え、そうなんですか!?」 と驚いてドン引き。いっぽう私と同い歳くらいの人たちは「そうそう! 気持ち悪いったらありゃしない!」と同調するじゃないですか。
どうやら上司は、年齢がそこそこいった女性を選んで「ボディタッチ」をしているようです。若い子だとシャレにならないけど、「おばさんなら大丈夫」とでも思っているのでしょうか?
いまは被害者で一致団結して、証拠を集めたり文書をまとめたりしています。すべて整ったら、本社の社内相談窓口に持っていく予定です。
もちろん当然ですが、被害に年齢は関係ありません。ハラスメント意識が低い人は「笑って流してくれるだろう」「一種のコミュニケーション」などと軽く考えているケースもあるようですが、どう考えても完全アウト! 「不快だ」と思ったら、曖昧な態度を続けるのではなく毅然と声をあげましょう。
ライター:楠 ゆず
娘と夫、茶トラの猫の3人+1匹で暮らすフリーライター。思い切ってマンションを購入し、ローンパラダイスへ突入中。幼児教育にハマってしまい、興味をもった教材は手に入れないと気が済まない。おかげで家には教材の山が…。断捨離欲と収集欲の葛藤に悩む日々です。