2019.03.08
基本的に「子が1歳に達するまでの1年間」は、育児休業の取得が労働者の権利として認められています。ところが上司から「復職を急かされている」ママたち、その理由が「うちの会社は託児所あるじゃん」という…育児への理解と想像力に欠ける上司に「そんなに単純な話じゃない!」と、怒り心頭のママたちの声をお聞きください。
子どもはみんな体温が高いよ(ひとみさん/32歳/事務)
私が産休に入る少し前に、産後半年で復職したママがいたんです。復職直後は「会社に託児所があるから助かります」と言っていたのもつかの間、発熱などで託児所から頻繁に呼び出されるように。「朝の時点で体温が高くて、預けられないので出勤できません」という日も多く、社内でもどんどん肩身が狭くなっているようでした。
「0歳児がこんなにしょっちゅう熱を出すなんて、知らなかった…」「もう少し復職を待てばよかった」という彼女の後悔を聞き(託児所があっても、復職後すべてが順調なわけじゃないんだな…)と感じていました。
そして時は経ち、無事に生まれた娘が生後半年になった頃…上司から電話があって「そろそろ復帰だね」と言われたんです。「子どもが1歳になったら復帰したいと思っています」と伝えると、上司は「え!? うち、託児所あるじゃない。すぐにでも戻れるでしょ?」と、本当に驚いた様子で言われたんです。
「うちの子は慢性的に鼻水が出てすぐに発熱するので、託児所にお世話になってもご迷惑をかけてしまうと思うので…もう少し大きくなってから…」と言っても、「子どもはみんな体温高いもんだよ! とにかく待ってるよ!」と、めちゃくちゃな理屈で早期復帰をプッシュされました。きっとあのママもこうやって、復帰を早められたのでしょうね…。
なんで新年度にこだわるの(ももこさん/35歳/会計)
育休中、上司から何度も連絡が来て「もうすぐ復帰だね、来年からにする?」と言われていました。その頃はまだ深く考えておらず、「そうですね、来年からと考えています」と答えていたんですが、年末になって「じゃあ年明けから、よろしくね!」と連絡が入ったんです。
「来年」とは言ったものの、まさか年明け早々とは思ってもいませんでした。1月といえば、インフルエンザやノロウイルスが流行する時期、「なにもそんな時期、いきなり11か月の娘を預けるのはちょっと…」と思い、上司に「やはり新年度からの復職を希望します」と伝えたんです。
すると…信じられない返事が。「なんで? 会社の託児所の枠、いま空いてるよ?」「別に新年度にこだわる必要ないじゃない!」と、理由も聞かずに復職をせかされて。
周囲のママの話では「風邪が蔓延する時期の復職は避けてくれた」「暖かくなってから戻っておいで、って言われた」と言っていたのを思い出し、我が社の上司の理解のなさに腹が立ちました。
「子連れ出勤」の大変さ、想像できます?(みづきさん/35歳/事務)
出産を機にマイホームを建てることにしました。転居先は私の職場に近く、そうなれば会社の託児所に子どもを預けるために「子連れ出勤」するのもラクですし、復職後も安心だと思っていました。そんなある日、上司から復職時期についての相談で電話があったんです。
「6月頃を考えています」と告げると、「え、6月? 4月からはどう? うちの託児所、0歳から預かってくれるよ」と返されました。そこで「実は6月に会社近くに新居ができるので、引っ越しが決まっていまして…」と説明しようとすると、今度は「そうなんだ。わかった大丈夫、引っ越し当日は休んでもらっていいから!」と的外れな回答…そうじゃなくて!
「いまの家からは、会社まで1時間以上かかるので…」と言っても「みんなそんなもんじゃない? 俺もそうだよ」とか言って、聞いてもくれずに的外れな回答を繰り返すばかり。
「託児所に預ける=子連れ出勤」なんだから、引っ越し後に通勤がラクになってから復帰したいっていう意味なのに…そこまで説明しないと、分かってもらえないものなんでしょうか。「子連れ出勤」の大変さなんて、想像すらできないんでしょうね。
復職を考えるママたちは、預け先の確保はもちろんのこと、子どもの月齢や季節、復職後の生活への備えなど、いろんな条件を鑑みてじっくりと時期を検討するものです。復職後に苦しくなって後悔しないためにも、上司とは納得いくよう話し合いましょう。
ライター:楠 ゆず
娘と夫、茶トラの猫の3人+1匹で暮らすフリーライター。思い切ってマンションを購入し、ローンパラダイスへ突入中。幼児教育にハマってしまい、興味をもった教材は手に入れないと気が済まない。おかげで家には教材の山が…。断捨離欲と収集欲の葛藤に悩む日々です。