2019.05.24
2021.03.11
一般的に「パート」とは「パートタイム労働者」、つまり「1週間の労働時間が、その事業所の通常の労働者と比べて短い労働者」のこと。パートタイマー、アルバイト、契約社員など呼び名は違えど、この条件に当てはまる労働者をさします。今回お話を聞いた「パート」で働く妻たちは、なかには通常の労働者と差がないほどの勤務時間で働き、お給料も実は夫を超えている人も。そんな彼女たちに向かって「家事はパートのお前の仕事」と暴言を吐いた夫…改心させた妻の操縦術とは?
■家事はお前の「仕事」だろ(美香さん/36歳/派遣社員)
iStock.com/John Sommer
子どもが年中さんになったので、週4日で仕事をはじめました。とはいえフルタイム勤務なので帰宅時間も遅め。日々穏やかな専業主婦生活から、なかなかハードな毎日に一変しました。
これまでは家事はすべて私がやっていましたが、ひとりでは到底追いつかない。そこで「皿洗いやゴミ出しなどの家事を手伝ってほしい」と旦那に頼んだんです。するとヘラヘラしながら「いやいや、家事はお前の仕事だろ」と言うじゃないですか。
その言動にあまりに腹が立ったので「分かった。『仕事』なんだったら、今日からお給料ちょうだいね」と言ってやったんです。すると旦那は「いや…それは…」なんて口ごもるばかり。
「あなたいま『仕事』って言ったよね? 仕事ならお給料が発生して当然でしょ。ハウスキーパー相場を参考に値段決めよっか」と、PCを立ち上げたところで、「わかった…やるよ」とシブシブ了承しました。
ちなみに旦那の勤務する派遣会社では、家事代行の仕事を扱うこともあるそうです。実際に家事を「仕事」として扱いながら、なにを寝ぼけたことを言っているのかとあきれてしまいました。
■私が死んだら、どうするの?(智子さん/33歳/レストラン店員)
iStock.com/Vasyl Dolmatov
旦那は3歳の娘を溺愛しています。なので育児にはそこそこ協力するのですが…家事にはいっさいノータッチ。コップひとつ洗いません。
私もアルバイトとはいえ週5回、フルタイムで出勤しているので「少しでいいから家事を手伝ってくれると助かるんだけど」と下手から言ってみたのですが、「お前はアルバイトだろ、家事はやってよ」と。
ブチ切れそうな気持ちをグッとこらえ「でもさ…考えてみて。もし私が明日死んだら…あなたなんにもできないじゃない? 娘ちゃんは洗濯してない汚い服を着て…インスタントラーメンすするのかなぁ…」と悲しそうに言ってみました。
すると旦那の動きがピタリと止まり、隣の部屋で寝息を立てている娘を見て「それは…ダメだ…」と、震える声でつぶやいたのです。効果は想像以上で、それからは家事を少しずつやってくれるように。でも「私が死んだら」と想像しながらやっていると思うと、少し複雑な気分です。
■え…昭和の人って感じだね…(果歩さん/30歳/薬剤師)
iStock.com/PeopleImages
娘も4歳になり育児も少し落ち着いたので、1日6時間、週6日でパートに出ることにしました。「これからは家事も少し分担してね」と旦那に言ったところ、「えー。お前、パートだろ? 家事は女の仕事!」と面倒くさそうにいうんです。
そこで、わざとドン引きした感じで「え…いまの時代にそんなこと言う人、ホントにいるんだ…昭和の人って感じだね…」と言ってみました。私はギリギリ平成生まれなんですが、旦那は昭和生まれなんです。
時代錯誤になることをアセったのか「いや、冗談だよ!」と急きょ発言撤回。内心しめしめと思いつつ「冗談か! 良かったー!」と大げさに安心したふりをしました。
さらにダメ押しで娘に「ねぇねぇ保育園でおままごとすると、誰がお料理してくれるの?」と聞いてみると「〇〇くんがしてくれるよ!」と。「パパもお料理できるの!?」とキラキラした娘のまなざしを受けて、イケてるパパになりたい旦那は料理を担当することになりました(笑)。
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妻の仕事を「パート」という呼び名で軽視し、家事育児に非協力的な夫たち…夫婦が協力して家庭を運営するという、結婚の意味をしっかりと胸に刻んで欲しいもの。共働き夫婦ならなおさらです。夫を賢く操縦した「働く妻」たち、さすがです!
ライター:矢島みさえ