2019.05.21
都会と田舎はどちらがより住み良いのか、ネット上ではしばしば議論が巻き起こっています。中には都会暮らしの慌ただしさから、田舎に住みたいという人も。都会から田舎に引っ越すと、暮らしぶりはどう変わるのでしょうか?
喧騒にまみれた都会はこりごり…
育児と仕事に勤しむ主婦は、「都会の満員電車にウンザリ。田舎に引っ越してのんびりと過ごしたいです」とお悩み中。「まだ田舎には不足しているものがあるのでしょうか?」と質問を投げかけていました。
まず田舎に住んでいる人から上げられていたのは、「たしかに満員電車はないけど、バスが満員」という意見です。「都会と比べて通勤の便がいいかといえば、働く場所にもよるけど一長一短」「家から駅まで遠かったりするし、雨の日は結構つらい。一家に1台車が必要かも」などの声が。
一方、都会から田舎に引っ越した人も意見を寄せています。「満員電車のストレスから解放されて、車通勤がメインになった。保育園への送り迎えも楽だよ」と通勤に関しては好意的な声が多いものの、やはりお出かけの際には不便なことも多いようす。「高校生の子どもがいるのですが、友達と遊びに行くときは1時間以上かけて都会に出てる。『都会に引っ越したい』と漏らすことも多い」との声も少なくありません。
自分のライフスタイルに合うかどうかがポイント
交通に関しての意見が上がる中、人間関係に言及する人も見られました。「東京から田舎に引っ越すと、まず驚いたのは『噂の広がる早さ』」「普段接する人数が限られているせいか、様々な家庭の事情が筒抜けになっている気がします。うまく周りと合わせなければいけません…」といった声が続出。
しかし「都会の希薄な人間関係よりましなのでは? すぐにご近所さんを頼れたり、身近な人が多い環境のほうが生活しやすい」という指摘も上がっています。また育児については「学校についての情報収集が容易」「田舎のほうが保育園が見つかる」などの意見が見られました。
とはいえ就きたい仕事や、受けさせたい教育など判断材料は様々。ネット上の意見を見ていくと「田舎に引っ越したとしても、自分の希望とそぐわなければすぐウンザリする」「長い目で見たときに地方暮らしを不便だと思わないか、ライフスタイルの見直しが必要」といった声が相次いでいます。
田舎に引っ越す際は何を重視すべき!?
では実際都市部から田舎に引っ越した人には、どういった理由があるのでしょうか? 総務省が行った「過疎地域への移住者に対するアンケート調査」では、田舎に移住した人々の背景が明らかにされていました。
田舎に引っ越す際の理由として、「地域の魅力や田舎暮らしへの関心」がきっかけになったという人は27.2%という結果に。さらに具体的な理由を聞くと、「気候や自然環境に恵まれたところで暮らしたいと思ったから」と答えた人は47.2%でした。また「それまでの働き方や暮らし方を変えたかった」という人も30.3%、「都会の喧騒を離れて静かなところで暮らしたかった」との回答は27.3%。のどかな暮らしに憧れて、田舎に引っ越す人は少なくないようです。
ちなみに「田舎へ移住する際、重視した条件は何ですか?」という質問で、1番多くあげられたのは「生活が維持できる仕事(収入)があること」の28.8%。他にも「日常生活に必要なサービスや、生活関連施設があること」「居住に必要な家屋と土地が安く入手できること」といった回答が多くあげられています。
隣の芝は青く見えるもの。田舎に住みたくなったときは、自分の叶えたい希望が揃っているかを見定めたほうがいいかもしれません。
文/長谷部ひとみ