2019.05.08
働き方が重要視されてきている日本。そんな中「働きやすい都道府県ランキング」が発表され、1位に輝いた都道府県が話題になっています。しかしネット上では「納得がいかない」といった声もあり、「働きやすさ」について思うところがある模様。
意外な都道府県が1位!「働きやすい都道府県ランキング」
今年3月、企業口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」が「働きやすい都道府県ランキング」を発表しました。「労働時間」「やりがい」「ストレス」「休日」「給与」「ホワイト度」の6項目を評価項目とし、その平均点(5点満点)を都道府県別に抽出。早速ランキングの結果からトップ10をご紹介します。
1位 | 沖縄県 | 総合評価2.97 |
2位 | 東京都 | 総合評価2.96 |
3位 | 山口県 | 総合評価2.88 |
4位 | 徳島県 | 総合評価2.87 |
4位 | 愛知県 | 総合評価2.87 |
6位 | 大阪府 | 総合評価2.86 |
6位 | 高知県 | 総合評価2.86 |
8位 | 京都府 | 総合評価 2.85 |
9位 | 神奈川県 | 総合評価 2.83 |
10位 | 千葉県 | 総合評価 2.82 |
見事1位の座を手にしたのは沖縄県、2位は首都の東京都、3位には本州末端の山口県がランクイン。しかし日本総合研究所などが主体で調査する「全47都道府県幸福度ランキング2018年版」の仕事分野では、沖縄県は最下位でした。今回のランキングでは、「やりがい」「給与」を除いた「労働時間」「ストレス」「休日」「ホワイト度」の4項目で高い点数を獲得したようです。
この結果に対して「沖縄が1位ってことは、賃金よりも環境って大事なのかも」「確かにストレスフリーなイメージ」などの声が。また「沖縄だってストレスはあるし、残業だってある」「最低賃金のところが多いのになんで1位なの」といった疑問の声も上がっています。実際に現地で働く人は、どのように感じているのでしょうか。
現地で働く人の声
ここで各都道府県を代表する企業の口コミをご紹介。沖縄県内企業売上高No.1の総合小売企業「サンエー」には、「自分の売場は自分で作るという精神があるため、自由度は高い。そのため結果が見えやすく、やりがいに繋がる」(販売アドバイザー/20代後半男性/年収420万円)といったコメントがよせられています。
東京に本社を構える「グーグル」は、「自由に休みも取れる。納期が迫っている時などは仕事時間が長くなるが、クリスマスから年末年始など長期で休みを取る人が多い」(ソフトウェア関連職/20代後半男性/年収1500万円)とのこと。「労働時間」が懸念されますが、「休日」「ホワイト度」に自信があるようです。
「休日出勤はまずないので、労働時間や休日制度はかなりホワイトです」(販売アドバイザー/20代前半女性/年収300万円)と口コミがあったのは、山口県の「ファーストリテイリング」。紳士服店をルーツとするユニクロの親会社で、「勤務形態もなく、かなり働きやすい環境」とアピールしていました。
働きやすさで重要なことは?
「働きやすい」と主張する企業が多い中、ネット上では不満の声が多数。1位の沖縄県でさえ「2.97」と高くない点数だったので、「点数の低さ=ブラック企業が多い」「日本はどこも働きにくいことがわかった」「全国的に点数が低いなら、どこで働いても差はない」といった声が上がっています。
一方で「働きやすさの基準なんて企業によってまちまち」「平均点が低いからと言って、必ずしも働きにくいわけではない」「『働きやすさ』を環境のせいにしてはいけない」「そもそも働きやすさを決めるのは自分次第」と前向きな発言も。
大切なのは“場所”や“点数”ではなく、「自分で働きやすい環境をつくる」ことなのかもしれませんね。
文/河井奈津