みんな最初は失敗する。それでも任せよう

山口さん、古谷野さん夫婦

 

──みなさんのお父さん世代はもっと家のことをあまりしなかった方が多いと思いますし、同年代でも個人差があると思います。謙太さんや一将さんはもともと家事や育児に積極的だったんですか?

 

謙太さん

僕は父が小学2年生のころに亡くなっているので、3人きょうだいの一番上として妹の世話もしていたこともあり、自然にやっていましたね。

 

こえりさん

ロールモデルがいないのが逆に良かったのかもしれないね。

 

一将さん

僕は高校から一人暮らしをしてきたので自分のことは自分でできます。あとは子どもが好きなので、子育てはやりたいと思っていました。 父親は家のことをしない人で、「少しはやれよ」と思っていたのが、逆に今につながっているかもしれないです。

 

まりえさん

少し話がずれますが、うちの父は、自分の娘である私を育てていた時には何もしない人でした。でも夫がこういう人な上、私がどんどん頼むので、だんだん孫の世話ができるようになってきたんです。 今はお風呂もひとりで入れられるし、お迎えも行ってくれます。

 

──なるほど!やる機会をどんどん増やすことでお父さんも変わっていったと。

 

一将さん

(まりえさんの)お父さんは、最初は抱っこするのも怖かったそうなんですよ。でも、できるようになると楽しい、やって良かったって言っていました。 やったことないことって誰でも怖いし、失敗しますよね。でもそうすると妻に怒られる。そうするとやらなくなる。っていう堂々巡りだと思います。 普段やらない人がやっただけで80点あげてほしいです。

 

まりえさん

私はママコミュニティの代表もやっているんですが、「旦那さんが育休取ったって使い物にならない」「自分がやった方が楽」っていうお母さん、たくさんいるんですよね。 大変なのはすごくよく分かるんだけど、女性も男性に対して家庭での活躍の場を与えてあげてみてほしいなと思います。

 

こえりさん

お母さんたちの方がなんでもできちゃうからね。ぜひ「人に任せる」っていうのを学んでほしいと思う。 「人に任せる」ってことに罪悪感を持つ人もいますよね。「旦那さんに任せるのは悪い」とか。できる前提で一度任せてみてほしいなと思います。

 

 

お父さんが育休取得を決めたことで、お母さんたちが心の余裕を持って出産・育児に勧めたことが伝わってきました。 家事や育児をうまくこなせないお父さんにイライラしてしまうお母さんは少なくないと思いますが、慣れていないことがうまくいかないのは当たり前。長い目で任せ続けてみる、というのも、協力体制をつくる一つのコツなのかもしれません。

 

「夫婦同時に育休取得『子供との時間は戻らない』」では、さらに詳しく、取得して感じたことや迷っている人に伝えたいことなどを聞いています!

 

取材・文・写真/小西和香