性教育は3歳から始めるべし!

では、性教育は何歳からすべきなのでしょうか。のじまさんは「3歳から始めたほうがいい」と話します。「そんなに小さい頃から必要なの?」という声が聞こえてきそうですが…。

 

「実は性犯罪の世界では0歳児からターゲットになるのです。もし小さな子が被害にあっても、自分がされたことが悪いことであるということを知らなければ、被害ではないと思ってしまいます。3歳は言葉がわかる年齢で、何がいいことで何が悪いことか、教えればきちんと理解できますし、それまで親元でずっと守られていた子も、どんどん歩けるようになり、ショッピングモールでは1人でトイレに行く子も出てくるなど、少しずつ社会の中に入っていく年齢でもあります。3歳から伝えておくべきこと、教えられることはあるのです」

 

さらに、のじまさんは「性教育の適齢期は10歳まで」といいます。 「なぜなら、小さい頃のほうが子どもは抵抗なく素直に親の話すことを受け入れてくれるからです。思春期に入ってからでは、親の言葉に耳を傾けてくれなくなったり、『きもい』などと思われてしまい、親の思いが伝わりにくくなってしまうのです」

 

母親と密に関わる時期に「大好きだよ」という愛情とともに、自分の体を守ることの大切さを伝えていくこと。これが性教育であり、愛情教育でもあり、防犯教育にもなるといいます。 「親が正しい情報を与えていくことがとにかく大事。性教育をすることでかえって悪影響があるのでは?と心配される親御さんもいますが、今の時代は性教育をしないことのほうがデメリットは大きいのです。性教育を受けた子は、初体験の年齢が上がる傾向にあります。そこにリスクがあることを知っているから、安易に興味だけで行動しなくなるのです」

 

親世代が子どもの頃とはまったく異なる環境にいる今の子どもたちを守るためには、早いうちから正しい情報を伝えていくことが大切です。次回は、具体的にどのように性教育をすればよいのか「

「なんで赤ちゃんってできるの?」子どもの疑問に親としてどう答える?

」をお届けします。

 

監修者PROFILE のじまなみさん


性教育アドバイザー。「とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会」代表理事。防衛医科大学校高等看護学院卒業後、看護師として勤務。2016年から国内外の母親を中心に、家庭でできる楽しい性教育を伝える活動を行なっている。現在、夫と3人娘の5人家族。著書に『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!(辰巳出版)』。

 

文/田川志乃 イラスト/クリハラタカシ