投資信託よりも株式を運用したい人にはNISAがおすすめ


風呂内さんによると、「毎月一定のお給料が入る会社員の方は、毎月一定額を積み立てるつみたてNISA派が多く、毎月決まった収入があるわけではない自営業の方は、手元に余剰金がある時にスポットで株式が買えるNISA派が多い」とのこと。どちらがいいかは一概にはいえないので、ご自分の性格や職業、生活スタイルに合ったものを選びましょう。

 

ちなみに、株式はつみたてNISAでは購入できないため、株式投資を非課税で行いたい場合は、NISA口座を選ぶことになります。NISAは以下の特徴があります。

 

■NISA

・購入できる商品:株式、投資信託(ETF含む)など ・非課税上限および期間:1年間に120万円まで、原則5年間。ただしロールオーバーすれば、最長10年間非課税で運用可能。最大120万円×5年間で600万円まで非課税で運用可能 ・引き出しのタイミング:自由 ・始められる期限:2023年12月31日まで

 

NISAはつみたてNISAのように商品が絞り込まれてはいないため、数多くある中から選ばなければならないという点では大変かもしれません。初心者の方が始める時のコツは、やはり「リスクは金額でコントロールする」ということ。NISAでいくらまで投資できるのかを先に決めて、その範囲内で購入できる株式を選びましょう。

 

非課税枠は1年間に120万円ですが、例えば20万円の株式を6回売買すれば、その枠を使い切ることになります。もともとの資金が120万円なくても非課税枠を使い切ることはできるのです。

 

「購入する株式は、たとえば自分が好きな商品やサービスを提供している会社や、配当金が高い会社、株主優待が魅力的な会社など選び方は人それぞれですが、応援したいと思える企業に投資すると楽しめます」

 

なお、一般的には配当金や優待が確定する時期にかけて株価は上昇する傾向が見られ、配当や優待の権利が確定した後には株価が下がる傾向にあります。すぐに配当金をもらうことにこだわらず、あえて株価が下がったところで購入して、次の配当金から受け取ることをのんびり狙い、長期で運用するという投資方針もあります。焦らずに、じっくり取り組んでみてください。

 

次回は、「

老後資金を貯めるならiDeCo!ただし年末調整も忘れずに

」をお伝えします。

 

 

PROFILE 風呂内亜矢(ふろうち あや)


1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、全国銀行協会 金融経済教育活動懇談会委員、一般社団法人みんなで作る良い行政サービス協会 主任研究員。大手電機メーカー系SIer、マンションの販売会社勤務を経て2013年にファイナンシャルプランナーとして独立。現在、テレビやラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。著書に『超ど素人がはじめる資産運用(翔泳社)』、『ほったらかしでもなぜか貯まる!(主婦の友社)』などがある。

文/田川志乃 イラスト/加藤淳一