パークレンジャーに聞く!自然の中で子どもが得る「失敗を経て知る命の大切さ」

私が育った茨城県の筑西市という町は、水田が広がる静かな田舎町でした。子どもの頃は、春にレンゲソウで花かんむりを作ったり、ヨモギを摘んで草もちを作ったり、夏には父と虫捕りをして遊んだことを今でも覚えています。

 

草花や昆虫を観察し、泥に触れる。木の葉を揺らす心地よい風を肌で感じながら自然の中で過ごした時間は、大切な学びの時間でもあったと、大人になった今しみじみと感じています。

 

自分の子どもにも自然に触れてほしいと思う一方で、いざ野や山で遊ばせるとなると、途端に親目線になって「どんな遊び方をさせたら子どもは楽しめる?」「山や林の中で遊ばせて安全面は大丈夫?」と疑問や不安を抱いてしまいます。

 

今回は東京都武蔵村山市にある「都立野山北・六道山公園」で、身近な自然の素晴らしさを伝えるパークレンジャーとして働く丹星河さんに自然の中での楽しみ方や注意点についてお話を伺いました。

 

PROFILE 丹星河さん

特定非営利活動法人NPO birth レンジャー・環境育部統括主任/都立野山北・六道山公園副所長。パークレンジャーとして、身近な自然の素晴らしさを伝える環境教育プログラムを多数実施。紙芝居を使っての自然解説を得意技とする。パンフレットの挿絵や絵図など、イラストレーターとしても実績を積み、絵を通して人と自然と社会を伝える活動を行っている。

 

「パークレンジャー」の仕事とは?


―身近な自然の豊かさを伝え、未来に繋げるー

パークレンジャーの丹星河さん

 

東京都と埼玉県の境に広がる狭山丘陵の西端に位置する、都立野山北・六道山公園。ここには人の手が入ることによって守られてきた、美しい里山の景観が広がり、四季折々の自然の移ろいを見ることができます。

 

緑豊かなこの場所でパークレジャーとして13年間務める丹星河さん。仕事内容は、公園関係団体との調整や、ボランティア活動のサポート、来園者に園内を紹介するガイドウォーク、環境教育プログラムの実施など多岐にわたります。

 

芸術系の大学で日本画を専攻していた丹さん。卒業後も絵の道に進むことを考えていたそうですが、子どもの頃、遊び場だった田んぼや原っぱが住宅地などに姿を変えていくのを目の当たりにし、「絵を描きながら、自然を守る仕事ができないか」と思うようになったと話します。

 

里山の自然をテーマにした紙芝居

 

「この仕事に就いてから『里山』や『自然』をテーマにした紙芝居を作ったり、乳幼児向けのイラスト入りテキストなどを作成してきました。絵を通して自然環境の大切さを伝える活動も行っています」と、持ち前の画力を活かし、パークレンジャーとしての仕事の幅を広げています。

 

丹さんが描いた「里山絵図」

 

そんな丹さんが描いた「里山絵図」には、公園づくりに関わる人や地域の人たちの「こんな公園にしたい」という夢が描かれています。

 

高校生に雑木林について説明する公園ボランティア。人を繋ぐことも仕事

 

「私たちパークレンジャーの仕事は、単に生き物を紹介するのではなく、身近な自然の豊かさを知り、触れてもらうことで『自然を大切にしたい』と思ってもらうこと。人の価値観を変えることで、自然を守り、未来に残すことができると考えています」

初夏には茶摘みや田植え、夏の夜の昆虫探し、秋の落ち葉かき、冬の野鳥観察など、一年を通して、里山の自然に触れることのできるさまざまなイベントを行います。

 

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佐藤有香

フリーライター。一児の母。広告制作会社の編集部にて8年間勤務した後、2016年よりフリーランスとして活動。現在はWEBメディアや雑誌、書籍の編集、執筆を手がける。趣味はランニングとアクセサリー作り。好きなものはコーヒー、チョコレート、下町。