温泉卵の作り方【失敗しない時間・温度を検証】

完成した温泉卵

手頃な価格なのに栄養たっぷりで、脇役からメインまで幅広く活躍する卵は、私たちの生活にはなくてはならない存在です。

今回の特集は、そんな卵のシンプルな料理をご紹介します。教えていただいたのは、フードコーディネーターとしてメディアで活躍中の田頭志保さん。

第1回目となる今回は、失敗しない温泉卵の作り方を教えていただきました。いつもの料理に温泉卵をプラスして、ちょっとリッチな気分を味わいませんか?

 

 

 

温泉卵と半熟卵って何が違うんだっけ?


作り方をご紹介する前に、ちょっと混同しがちな温泉卵と半熟卵の違いを整理しておきましょう。

温泉卵:白身も黄身も半熟でとろりとしている状態

半熟卵:白身が完全に固まっていて黄身だけが半熟の状態

 

それぞれ黄身は半熟ですが、白身の状態によって名前が変わるというわけ。実は卵は黄身と白身で固まる温度が異なります。その性質を利用することで温泉卵や半熟卵が作れるのです。

固まり始めるお湯の温度は白身が約60度、黄身が約70度。つまり、白身の方が低い温度で固まり始めます。ちなみに、85度以上で卵は完全に固まります。

とはいえ毎回、温度計で計るわけにもいきませんよね。そこで今回は、温度計がなくても失敗しない温泉卵の作り方をご紹介します!

 

失敗しない温泉卵の作り方

温泉卵の材料

【材料】

卵…3個(冷蔵庫から出してすぐに使います)

 

温泉卵を茹でる鍋

【作り方】

① 蓋つきの厚手鍋に水900mlを入れ、沸騰させます。

→こちらの鍋は「ストウブ18cm」。薄手の鍋は火を止めるとお湯が冷めるのが早いため、保温性の高い厚手の鍋がおすすめ。

 

お湯が沸騰した鍋

鍋の火加減をするところ

② お湯が沸騰したら火を止め、鍋を火からおろします。

 

足し水をして、鍋の湯温を下げるところ

③ コンロから鍋をおろして水60mを加え、お湯の温度を90度くらいに下げます。

→鍋をガス台にのせたままだとガス台の余熱でお湯の温度が下がりにくくなってしまうので、注意しましょう。

 

お玉で鍋に卵を入れるところ

④ おたまを使って卵を優しく入れます。

→この時、卵に衝撃が加わると殻にヒビが入り、白身が出てきてしまうことがあるので、優しく入れましょう。

 

鍋の蓋を閉めるところ

⑤ 卵を入れたら鍋にぴったりと蓋をして、そのまま10分間待ちます。

→10分以上、加熱されるとゆで卵になってしまうため、キッチンタイマーを必ずセットしましょう。

待ち時間は室温によっても変化します(詳しくは後ほど解説!)。

 

卵を氷水に漬けるところ

⑥ 10分経ったらすぐに卵を氷水につけてしっかり冷やします。

→氷水につけることで、余熱で火が入るのを止めることができます。

また、白身がキュッと引き締まるので、割った時の仕上がりがきれいになります。

 

完成した温泉卵を割るところ

⑦ 卵が冷えたら生卵を割る要領で器に割り入れます。これで温泉卵の出来上がりです!

 

【検証】何分でベストな温泉卵に仕上がるか!?

温泉卵の茹で時間比較

作り方⑤の待ち時間は何分がベストなのか、検証しました。こちらは待ち時間を左から5分、10分、15分にしたもの。結果は以下の通りです。

 

5分:まだ白身が水っぽく、黄身も生に近い状態

10分:白身がほのかに固まり。温泉卵としてベストな状態

15分:白身が堅くなり過ぎて、温泉卵というよりはゆで卵に近い状態

 

ただし、待ち時間は室温などによっても多少前後します。

実験した日の室温は23度。4月のよく晴れた、半袖で過ごせるくらいの気候でした。夏場ならマイナス1〜2分、冬場はプラス1〜2分を目安に、調整してみるといいでしょう。

 

卵の殻を綺麗に剥くためのコツ

卵のお尻に安全ピンを刺すところ

新鮮な卵の場合、薄皮が白身に張り付いて剥きにくいことがあります。そんな時は、茹でる前に卵のおしりにピンで穴を開けておくと剥きやすくなるんです。ピンは綺麗に洗うか、アルコール消毒をして清潔なものを使いましょう。100均などで卵の穴開け専用グッズも販売されています。

 

電子レンジで温泉卵を作る


「もっと手軽に作れないの?」という方のために、温泉卵を電子レンジで作る方法もご紹介します。鍋で作る温泉卵と比べると、見た目や食感はちょっと劣りますが、時間がない時や面倒な場合は、これもアリかもしれません。

 

■温泉卵(1個分)の材料と作り方〜電子レンジver.〜

ココットに入った生卵

① 小さめの耐熱容器に卵1個を割り入れます。

→卵1個に対して耐熱容器1個を使います。

 

生卵の黄身に爪楊枝で穴を開けるところ

② 黄身に爪楊枝でプスプスと3〜4か所穴を開けます。

→こうすることで加熱中に卵が破裂するのを防げます。

箸を使うと黄身が崩れてしまうことがあるので、爪楊枝がおすすめです。

 

水大さじ3を加えるところ

③ ②に水大さじ3を入れます。

→水の量が多過ぎると加熱時間が長くなり、白身がとろっと固まる前に黄身が固まりすぎてしまうので注意しましょう。

 

卵を電子レンジで加熱するところ

④ 電子レンジ(500W)でまずは50秒加熱します。

卵を電子レンジ500wで50秒加熱した状態

500Wで50秒加熱すると卵はこんな状態に。

 

卵を電子レンジでさらに加熱した状態

⑥ 卵の状態を見ながらさらに10秒ずつ、3回ほど追加で加熱します。

→500Wで一気に80秒加熱してしまうと火が入りすぎてしまうので、50秒加熱した後は、10秒ずつ電子レンジにかけましょう。気温や卵の大きさによってベストな加熱時間は変わってきますので、様子を見ながら調整してみてください。

 

電子レンジで作る温泉卵の完成

⑦ 余分な水を捨て、器に移したら完成。

→箸で割ると黄身がとろっと出てくる状態になりました。

 

温泉卵を使ったおすすめ料理!

温泉卵を使ったレシピ

温泉卵をプラスすると、いろいろな料理が味も見た目もワンランクアップします。

田頭さんおすすめは、ラタトゥイユの温玉のっけ。トマトベースのさっぱりしたラタトゥイユに温玉の濃厚さが加わり、リッチなひと品に仕上がりました。

ほかにも、冷たいうどんや、牛丼、豚丼、焼き鳥丼などの丼もの、カルボナーラやナポリタンなどのパスタに温泉卵をのせても美味しいですよ。

次回は「味玉のレシピ【究極の半熟卵・ゆで時間は何分?】」をお届けします!

 

PROFILE 田頭志保(たがしら・しほ)


フードコーディネーター・フォトグラファー。大学卒業後、新聞社にてカメラマンとして勤務。その後、料理と写真のテクニック、それに携わるフードコーディネーターの仕事に惹かれ、専門学校にて学ぶ。テレビや雑誌で現場技術を取得する傍ら、ロンドン〜中東での料理研究、写真活動を経て、現在フォトグラファー、フードコーディネーターとして活躍中。https://shih5589.wixsite.com/shiho-tagashira

 

取材・文/田川志乃 撮影/菅井淳子

 

田川志乃

フリーライター。1児のママ。食や子育て、身近な生活に関する記事を中心に執筆中。