家庭や子育てに関わるのは男性の権利

 

日本でも今、男性の育休取得義務化を目指す動きがありますが、まず首相が行動で示したというのはとても大きな影響がありそうです。

行動だけでなく、男性の子育てに対する意識も変わってきているのでしょうか。

 

コッコ参事官

そうですね。フィンランドでは今、男性が子どもの育児や人生に関わることは男性の権利であると考えられています。 女性が働く権利があるように、男性にも家庭や子育てに関わる権利があるのです。これは大事な視点だと思います。

 

子育てに関わる権利がある、というのはとてもポジティブな考え方だと感じます。

最後に、コッコ参事官から見て日本の子育て事情や男女平等に関する点で良いと感じる部分はありますか?

 

コッコ参事官

男女平等には直接関係はないかもしれませんが、日本では高齢者、しかも男性であっても子どもによく目を向けていると感じます。子どもと出かけた時に、あやしたり話しかけたりしてもらえることがよくあります。これはフィンランドではないことです。

 

日本は男女平等に関してはもっと良い状況になりうるのかもしれません。ただ、個人的にはとても子育てに積極的な日本人男性も知っていますし状況は変わっていくでしょう。フィンランドとは違った段階にあるのだろうと思います。

 

 

家族の在り方が過渡期にあるであろう日本。 私たちが意識・行動を変えていくことで、少しずつ未来を変えていけるのかもしれません。 マルクス・コッコ報道・文化担当参事官には「

貧困家庭出身でも妊娠中でも大臣に 男女平等の国、フィンランドの働き方

」でもお話を伺っていますので、ぜひご覧ください!

 

PROFILE マルクス・コッコ報道・文化担当参事官

マルクス・コッコ報道・文化担当参事官
1971年、フィンランド生まれ。ヘルシンキ大学で国際政治学の修士号取得。2014年まで国外のメディアにフィンランドの産業や企業などの情報を提供する団体「Finfacts(フィンファクツ)」の所長を務めた。15年9月より現職。

 

文/小西和香 写真/小林キユウ