女性や若い政治家の積極的な動きが意識を変えた

マルクス・コッコ報道・文化担当参事官

 

私もそうですが、子どもには今の状況を引き継ぎたくないとは思っているものの、自分の親世代が「女性は家庭、男性は仕事」という考え方だったこともあり、どう意識を変えていいのか分からないという人も日本には多いです。

フィンランドでは、どのようなきっかけでそうした意識を変えていくことに成功したのでしょうか。

 

コッコ参事官

色々な要素があるかと思いますが、まずは法律が整備されたということがあると思います。

 

1970年代に「保育園法」が制定され、すべての子供たちが希望するタイミングで保育園に入れるようになりました。女性も仕事に出ていけるようになったのです。 なぜこのような子育て世代に優しい法律ができたかといえば、政治に女性や若い子育て世代が参加しており、周りを巻き込みながら動いているからです。

 

政治でもビジネスでも、高いポジションに女性がいたり、象徴的な行動があったりすると社会のロールモデルになります。

 

フィンランドには子育て世代の政治家も多いと聞きました。若い政治家の働きが社会を動かしているんですね。

 

コッコ参事官

フィンランドでは1998年、パーヴォ・リッポネン首相が6日間の父親休暇を取得しました。当時は閣僚でさえ父親休暇を取得した前例がなく、いきなり首相が取るということでかなり大きなニュースになりました。今なら(当たり前すぎて)ニュースにもなりませんが…

 

首相より重要な、替えが難しい仕事をしている人などいないのではないでしょうか?「首相が取れるなら自分も取れるはず」と、大きく男性の意識を変えたと思います。