じつは乳幼児に多い感染症!「ヒトメタニューモウイルス」の症状と対策|小児科医監修

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気管支炎や肺炎などの呼吸器感染症を引き起こすこともある

「ヒトメタニューモウイルス」。

少し聞きなれない病名ですが、

“2歳までに約半数、10歳までにほぼ全員”

という高い確率で感染するとも言われているほど

じつは乳幼児での感染例が高い病気です。

その原因は?対策は?

「ヒトメタニューモウイルス」の病気の特徴について、

小児科医の保田典子先生に

分かりやすく解説してもらいました。

 

 

 

どんな症状?

ヒトメタニューモウイルス」の症状


症状としては、熱、咳、鼻水など普通の風邪と同じ。普通は1週間程度で良くなり、熱が出ないこともあります。

この病気の一番注意すべきところは、気管支炎や肺炎などの呼吸器感染症を引き起こすこともあるということ。年齢が低いと、喘鳴(ぜいめい)といって、呼吸をするときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」というような音がする状態に重症化することもあります。

発熱や咳が続く場合は気管支炎や肺炎の可能性も考えられるので、速やかに受診をしましょう。

 

 

何が原因なの?

「ウイルス」による感染症


ヒトメタニューモウイルスというウイルスによる感染で、接触による感染や、鼻水や咳、くしゃみなどの飛沫で感染します。春先〜初夏に感染することが多いと言われています。

 

 

自宅での対策は?

 

風邪のケアと同じく安静にすることが一番


通常の風邪と同じく、安静にして療養するのが基本です。食欲がなければ無理して食べさせなくてもいいでしょう。そのかわり、水分摂取はこまめにしたいものです。熱があるときは体を冷やしてあげると楽になります。お風呂に入ると体力を消耗しやすいので、なるべくお風呂は控えましょう。

 

咳がひどい場合は加湿が有効


咳がひどくなる病気です。そのため寝るときに室内を加湿することを心がけましょう。また、枕を高めにして寝ると咳が楽になることがあります。咳がひどい場合は薬を処方してもらうことをオススメしますが、最近では薬の咳止めよりも、ハチミツをなめた方が咳にいいという論文もあります(ただし、ハチミツが摂取できるのは満1歳をすぎてから)。市販の咳ケア用品もうまく使いながら、咳をやわらげてあげるといいですね。

 

家庭内での感染予防は


飛沫感染なので、近づかないことが一番の感染予防です。

兄弟がいる場合は別の部屋で寝るなどすると、感染率がぐっと下がります。また、家族間でのコップやタオルなどの共用も避けましょう。感染者は感染が広がらないように、マスクを着用したいものです。

 

 

いつ登園できる? 

熱がなく普段通り元気なら登園可能


登園基準が明確に決まっている病気ではありません。熱が下がって食事がとれて、咳がひどくなければ登園可能です。 

 

保田先生よりひとこと


ヒトメタニューモウイルスは、ここ数年で検査されるようになったウイルスです。風邪と症状が同じなので、検査して診断をしないまま治療をされることがほとんどです。ただし、ヒトメタニューモウイルスの特効薬はないので、診断されることはさほど重要ではありません。診断を受けても受けなくても、鼻水を吸ってあげたり咳のケアをしてあげたりという基本的なケアで乗り切りましょう。咳が重症化しやすい病気なので、経過を注意深く見守ることが大切です。

 

取材・文/松崎愛香  トップ画デザイン/山本めぐみ(el oso logos) イラスト/岡村優太

保田典子

医療法人財団アドベンチスト会 東京衛生病院・小児科医。日本小児科学会認定専門医。2男・1女の母。第1子の出産を機に、東京衛生病院小児科へ。自身も働くママであるという立場から、ママの気持ちによりそった診察で定評がある。現在はブログ「『ママ小児科医が実践している忙しくても家族の健康と発達を伸ばす子育て』や、公式LINEで自身の子育てや子どもの健康や発達についての見解を発信中。「育児はママだけでなく、みんなでするものです。不安があったらなんでも相談してくださいね」

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