感染性胃腸炎・ノロウイルス、ロタウイルスでとるべき対策は?|小児科医監修

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寒くなりはじめると、

子どもの胃腸炎を心配するママが増えてきます。

嘔吐を繰り返して食べられない姿は、

親としてはかわいそうで見ていられませんよね。

保育園などでの集団生活では蔓延しやすく、

予防することが、なかなか難しかったりもします。

家族内感染もしやすく、家族全員ダウン……

なんて経験があるというママも、多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、

感染性胃腸炎として代表的な

「ノロウイルス」「ロタウイルス」の特徴について、

小児科医の保田典子先生に

分かりやすく解説してもらいました。

 

 

1.どんな症状?

「感染性胃腸炎」の症状


胃腸炎の主な症状は「嘔吐と下痢」です。

ノロウイルスに比べてロタウイルスの方が症状が激しいと言われており、多い場合では、1日に10回も20回も嘔吐してしまうことがあります。ノロウイルスの場合でも、嘔吐下痢を繰り返して脱水症状を起こすことがあるため、注意が必要です。

発熱はする場合としない場合があり、腹痛が出ることもあります。

大人に比べて子どもの方が症状が重い傾向にありますが、大人の場合でも脱水症状を起こすことがあります。家族の中の誰かがかかったら家庭内感染しやすいので、注意が必要です。 

ノロウイルス、ロタウイルスともに検出する検査がありますが、ノロウイルスは検査できる人が限られていますし、全部のノロウイルスを検出できる訳でもないので、症状で診断することが多いです。

 

 

2.何が原因なの?

 

「ウイルス」が原因


その病名の通り、ノロウイルスは「ノロウイルス」という、ロタウイルスは「ロタウイルス」いうウイルスから感染します。

どちらも感染力が強く、ロタウイルスに関しては、生後6ヶ月から2歳をピークに、5歳までにほぼすべての子どもが感染すると言われるほどです。ノロウイルスは、食品が原因で感染するいわゆる「食中毒」が原因であることも多くあります。             

 

 

3.自宅での対策は?

特効薬はナシ。免疫で治す


特効薬はありませんので、自分の免疫で治します。

下痢に関しては、下痢止めの薬を使って無理に止めてしまうと、下痢を介してウイルスを排出することを止めてしまうため、下痢止めは通常では使いません。

嘔吐に関しては、嘔吐によって体のミネラルバランスが崩れてしまうこともあるので、症状に応じて吐き気どめの薬を使うことがあります。

 

とにかくお腹を休ませましょう


看病のコツは「とにかくお腹を休ませること」です。

嘔吐や気持ち悪いなどの症状があるときは、無理に食事をとらなくても大丈夫です。嘔吐をした後は1時間くらいは何も口にしないのがいいでしょう。少し落ちついたら、水分を「一口ずつ」など、ごく少量ずつから摂取してみましょう。

 

数回の嘔吐だけは、脱水にはならない


脱水症状を気にして無理に水を飲ませては、また嘔吐してしまう……というのでは逆効果です。嘔吐を数回繰り返したとしても、すぐには脱水にならないので、無理に水分を取らなくても大丈夫。

水分摂取は「嘔吐が落ちついてからで大丈夫」と考えてください。水分は、子どもが口にしやすいものでOK。なかでも経口補水液は、より嘔吐しにくいと言われています。ただし、牛乳やオレンジジュースなどの柑橘系の飲み物は避けましょう。

水分摂取をしていないのにもかかわらず、嘔吐を7〜8回以上繰り返してぐったりとしてきたら、速やかに受診をしましょう。               

 

お腹が減ったら食事を開始


食事開始のタイミングは「お腹が減ってから」で大丈夫です。

嘔吐が激しいのは、症状が出てから半日〜2日程度なので、食事がとれなくても、心配しすぎる必要はありません。

お子さんによっては「お腹は空くけど食べると吐いてしまう」という子もいます。そのような場合はお腹が空いたと訴えがあっても嘔吐を繰り返すようなら、食事は半日ガマンしましょう。

アルコール消毒だけではNG!家庭内感染はこう防ぐ


便や嘔吐物から感染します。とはいえ、度重なるオムツや嘔吐物の処理が必要となってくるのがこの病気です。処理をするときは必ず手袋をしてから行い、処理後は石けんを使い流水で手洗いすることで、ウイルスをしっかり洗い流す事が大事です。

トイレのドアノブなどにもウイルスが付着し、そこから感染をする事もあります。アルコールでは消毒できませんが、次亜塩素酸を含んでいる消毒液は効果があります。

 

 

4.いつ登園できる?  

便が水っぽくなくなったら


嘔吐がなくなり食事が食べられるようになって、下痢もなくなったら登園が可能です。「下痢がなくなったら」と言っても、乳児だと下痢と普通便の区別がつきにくいことがあります。便の回数が減り、水っぽい便ではなくなったら登園可能、と考えていいでしょう。 

 

保田先生よりひとこと


便や嘔吐物の処理をすることから、子どもの胃腸炎が家族全体に移ることも多い病気です。嘔吐などのはっきりした症状がなくても、便が少しゆるめであったりお腹が痛いと子どもが訴えてきたりなど、「お腹の調子が悪そうだな」と感じたら、しっかり手袋をしてオムツ替えをするなど、早めの感染対策が重要です。

また、ロタウイルスにはワクチンがあり、ワクチンができてからロタウイルスによる入院患者さんがとても減りました。自費のワクチンですが、接種することをオススメします。生後早期にしか接種ができないので、出産時や1ヶ月健診時に接種を決めましょう。   

   

取材・文/松崎愛香 トップ画デザイン/山本めぐみ(el oso logos) イラスト/岡村優太

保田典子

医療法人財団アドベンチスト会 東京衛生病院・小児科医。日本小児科学会認定専門医。2男・1女の母。第1子の出産を機に、東京衛生病院小児科へ。自身も働くママであるという立場から、ママの気持ちによりそった診察で定評がある。現在はブログ「『ママ小児科医が実践している忙しくても家族の健康と発達を伸ばす子育て』や、公式LINEで自身の子育てや子どもの健康や発達についての見解を発信中。「育児はママだけでなく、みんなでするものです。不安があったらなんでも相談してくださいね」

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