予防接種は済みましたか?インフルエンザ対策|小児科医監修

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秋が深まりはじめる季節になると、

ちらほら名前を聞くようになるのが「インフルエンザ」。

大人、子どもに限らず、冬に大流行する病気として知られています。

そこで有効なのが「予防接種」。

早めに接種計画を立てないと、

いざ予約しようとしたときに「ワクチンが足りない!」

なんて話を聞くこともありますよね。

 

そこで今回は、

インフルエンザの予防接種や病気の特徴について、

小児科医の保田典子先生に

分かりやすく解説してもらいました。

 

 

1.予防接種の効果は?

 

予防接種をしてもかかる場合があると聞くけど?


インフルエンザには、有効なワクチンがあります。「ワクチン接種(=予防接種)をしても、インフルエンザにかかった…」という話を聞くこともありますが、予防接種をしていた場合は、症状が格段に軽く済むことが多いです。また、予防接種を受けている人の割合が多くなるほど、感染や流行をおさえることができます。保育園や幼稚園、学校などの集団生活をしているのであれば、「感染しないためにも、感染させないためにも、流行させないためにも」ワクチン接種をオススメします。

どの季節に接種するのが効果的?


インフルエンザは、例年、新年明けから爆発的に流行することが多い病気です。
インフルエンザワクチンは、【接種後1ヶ月から接種後4~5ヶ月まで】が効果が強いワクチンです。13歳までの子どもは、2回接種することが推奨されています。2回目の接種は1回目の接種から2〜4週間、間を空ける必要があります。また、体調不良などで接種できない場合も考えられます。
そのため、1回目の接種は【10月〜11月】、2回目の接種は【11月〜12月】と計画を立てることがおすすめです。
とはいえ、毎年接種していると「ブースター効果」といってどんどん抗体が増えていくので、接種後4〜5ヶ月経ったからといって、効果が全くなくなるわけではありません。
毎年【10月〜12月】の間に、忘れずに【2回】接種をすることで、年々インフルエンザに強い体にしていきたいものですね。 

 

 

2.どんな症状?

 

「インフルエンザ」の症状


発熱、咳、鼻水が主な症状です。インフルエンザも風邪の一種ですが、症状が普通の風邪よりひどいことから有名になったウイルスです。高熱をともない、倦怠感がとても強く、食欲不振になることが多いので、大人でも寝込んでしまう人が多いです。

また、脳症や肺炎、けいれんなど合併症も多いので、風邪の一種とはいえ、経過には十分な注意が必要です。

 

 

3.何が原因なの?

 

「インフルエンザウイルス」が原因


インフルエンザウイルスが原因です。接触、飛沫感染で感染します。咳や痰、唾液から感染します。つばが飛んだところから、半径1メートル程度ウイルスが到達すると言われており、飛沫感染の範囲が広いので注意が必要です。

 

 

4.自宅での対策は?

 

「抗インフルエンザ薬」で症状を軽減できるけれど……


ウイルス感染症は基本的に治療法はないのですが、インフルエンザは「抗インフルエンザ薬」という、インフルエンザウイルスを減らす薬があります。よく新薬が出るものなので、毎年、適切な薬が更新されている傾向にあります。とはいえ、薬がないと治らないということはないので、必ず薬を飲まないといけない訳ではありません。

基本的には安静に療養していれば、治る病気です。

 

予防接種が大切


ワクチンをうたないと症状がとても重く、水分も摂れなくなり、脱水症状を起こすことも多い感染症です。もしかかってしまったとしても、予防接種を受けていることで、症状が軽減します。しかるべき時期に、予防接種をすることが大切と言えます。

 

食事で気をつけること


食欲が減退する病気です。無理せず食べられるものを食べましょう。もし何も食べられないという場合でも、水分はしっかり摂ることが大切です。

脳症や肺炎など合併症も多いので、「おかしいな?」と思ったら、速やかに受診を。そのときの全身をチェックしてもらうことで適切な処置を受け、一刻も早く回復させることが大切です。

家庭内感染はこう防ぐ


接触や飛沫感染が主なので、家族内感染を防ぐには部屋を分けて過ごすなどの対策をすると、ある程度感染を防げる事があります。

感染者が使用するタオルを分けることはもちろん、気をつけたいのは咳。つばが飛んだところから、半径1メートル程度ウイルスが到達すると言われているので、マスクを着用しましょう。小さな子でマスクをするのが難しい場合は、部屋を分けて過ごすのが有効です。

 

 

5.いつ登園できる? 

 

発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後3日を経過した後


インフルエンザは、登園の目安がほぼ明確に決まっています。

幼児の場合、「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後3日を経過した後」となっています。

引用:厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン」

 

症状が重かったのであれば、登園基準に関わらず、体力が回復するまでしっかり休ませてあげることをオススメします。しっかりと休むことで、次の風邪をもらうことを防げる場合があります。登園基準を満たせば病後児保育も利用ができるので、回復後も子どもの症状を注意深く見てあげましょう。

 

保田先生よりひとこと


インフルエンザは風邪の一種ではありますが、症状も重く、怖い合併症も多い病気です。なるべくかからない、かかっても軽症で終わることが望ましいですよね。

そのためには【ワクチン接種】が大事です!

「ワクチンをしてもかかるし、ワクチンをしなくてもかからない」という声も聞かれますが、これは“たまたま”の話。しっかりと予防接種をすることがとても大切です。

1人でも多くの人が接種をすると、大流行を少しでも防ぐことができます。 基本は安静に療養していれば治る病気ですが、脳症や肺炎など合併症もあります。診断のためだけではなく、治療中も心配な症状があったら、すぐに受診をしましょう。   

取材・文/松崎愛香 撮影/斉藤純平 トップ画デザイン/山本めぐみ(el oso logos) イラスト/岡村優太

保田典子

医療法人財団アドベンチスト会 東京衛生病院・小児科医。日本小児科学会認定専門医。2男・1女の母。第1子の出産を機に、東京衛生病院小児科へ。自身も働くママであるという立場から、ママの気持ちによりそった診察で定評がある。現在はブログ「『ママ小児科医が実践している忙しくても家族の健康と発達を伸ばす子育て』や、公式LINEで自身の子育てや子どもの健康や発達についての見解を発信中。「育児はママだけでなく、みんなでするものです。不安があったらなんでも相談してくださいね」

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