高校、大学の進路選択で「私立」をあきらめる必要なし

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高校、大学に進む際、進路選択も大きな課題です。学費の高い「私立」より、できれば「公立」へ行ってほしいと考えるシングルマザーは多いかもしれません。とはいえ、子どもが私立に行きたいと言ったら、なんとか希望を叶えてあげたい思いも強いでしょう。

 

「シングルマザー家庭でも、私立をあきらめる必要はありません。私立高校でいえば、成績優秀者などを対象とした『特待生制度』を多くの学校が設けています。同制度は入学金や授業料などの諸費用が一部または全額免除となるものです。また、一定の学力要件を満たした受験生に対して学費の給付・貸付を行う奨学金制度もあります。家計の負担は大幅に減るので、道が開けるでしょう」

 

大学も同様。私立の道は閉ざされていません。 「私立の大学では、ここ数年、返済不要の“給付型奨学金”が充実しています。授業料の全額免除や年何十万円か支給されるもので、1000人規模で広く募集している大学もあります。保護者の年収要件は税込年収で700~800万円前後と比較的緩めに設定しているところが大半なので、リサーチして活用すべきです」

 

備えあれば憂いなし。子どもの明るい未来のために、できることから少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。

 

教えてくれたのは…

ファイナンシャル・プランナー 竹下さくらさん


兵庫県神戸市生まれ。慶應義塾大学商学部にて保険学を専攻。損害保険会社、生命保険会社勤務を経て、1998年にFPとして独立、現在に至る。「なごみFP事務所」を共同運営。主に個人向けのコンサルティングに従事し、講師・執筆活動なども行っている。二児の母。『「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本』(日本経済新聞出版社)『「奨学金」を借りる前にゼッタイ読んでおく本』(青春出版社)など著書多数。 

取材・文/百瀬康司