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学資保険は本当に不要?知らなきゃ損する教育資金の貯めテクニック

マネー

2018.08.27

竹下さん3回目【3】shutterstock_775853338

子どもの教育資金を確保するための保険としてお馴染みの「学資保険」。毎月決まった額の保険料を払うことで、契約時に設定した年齢を迎えたときに満期金や祝い金が受け取れて、それを教育費にあてられます。もっとも教育費がかかる大学入学の時期を満期に設定し、満期金200300万円を受け取るケースが一般的です。

 

学資保険は貯蓄としての役割りだけなく、万一の場合の保障を兼ねられます。そんな特徴から長く親しまれているのですが、一方で最近、学資保険を不要とする声が高まっています。理由はズバリ、マイナス金利の影響による貯蓄性の低下です。となると、学資保険の加入を躊躇するのは当然といえますが…。

 

子どものための学資保険だからお金が貯まる

「たしかに、お得度の目安となる“返戻率”が以前より下がり気味なのは否めません。ただそれでも、マネー相談に来られた方に話を聞くと、『学資保険に入っていてよかった』という意見が多く寄せられます」

 

こう語るのは、個人家計の相談に乗り、教育費関連の著書も多いファイナンシャル・プランナーの竹下さくらさん。お得度が下がりながらも、現場では根強く支持され続けているわけです。学資保険の人気の秘密、貯蓄性低下を補って余りある3つの利点を解説してもらいましょう。

 

「第一は、子どものお金として色づけできること。たとえば、家計が苦しくなった際、定期預金などほかの金融商品だと取り崩してしまいがちですが、学資保険は子どものものと認識していますから、手をつけないでおこうというブレーキーが働きます。結果、着実に教育資金を蓄えられるのです」

 

保険料は毎月口座からの自動引き落しなので、必然的に強制貯蓄効果も働きます。

 

親の死亡で保険料の支払い免除&満期金約束

「第二は、税制優遇があること。満期などで受け取るお金は“一時所得”として扱われ、受け取ったお金と支払った保険料の差額が50万円を超えなければ税金はかかりません。たとえば、学資保険で支払った保険料の総額が260万円、受け取った満期金が300万円だったケースでは、差額の40万円を無税で受け取れます」

 

加えて、学資保険の保険料は生命保険料控除の対象となり、所得税・住民税を少なくできる効果もあるといいます。

「年間8万円を超える保険料を負担すると、上限の4万円の生命保険料控除を受けられて、税率20%の人であれば年間8000円の所得税が保険料払込期間中ずっと還付される計算です。あわせて翌年の住民税も安くなり、節税効果を得られます」

 

第三は、保険ならでは保障の要素。学資保険は原則、親が契約者・被保険者、子どもが被保険者になって契約します。

「契約者である親が死亡したら、以降の保険料の払い込みは免除に。一方で保障は継続され、満期金を受け取ることができます。親に万一のことがあった場合でも、確実に教育資金を準備できる安心感があるのです」

 

学資保険と投資商品の2本立てが賢い貯め方

竹下さん3回目【1】shutterstock_775853338

大学には多額の教育費を必要とします。国立大学に自宅から通う場合で4年間総額500万円余り、自宅外から通う場合で同総額800万円余り(文部科学省などのデータをもとに試算。以下同)。私立大学に自宅から通う場合で4年間総額650万円余り、自宅外から通う場合で同総額900万円余り。これだけの大金を学資保険のみではカバーできないため、プラスアルファとして投資商品との2本立てで教育資金を備えるのが賢い選択といいます。

 

「投資商品の魅力は、資金を増やせる可能性があること。学資保険と組み合わせれば、運用パワーをうまく引き出せます」と竹下さん。どういうことでしょうか?

 

「投資商品がうまくいったら、学資保険の満期金+投資成果で資金は大きく増えます。しかし、投資ですからリスクを伴い、うまくいかないケースもあります。そうなったときでも、学資保険のほうで大学の入学金などまとまったお金を確保できていたら、無理に換金せず資金をもう少し寝かして増えるチャンスを待てるのです」

 

ちなみに、株式や投資信託などの投資商品で教育資金をつくる際は、「NISA(ニーサ)」「ジュニアNISA」「積み立てNISA」の利用を推奨。これら制度を使うと、運用で増えたお金に対して、一定の範囲内で非課税の恩恵が受けられます。

 

これなら間違いなし! 学資保険選びのポイント

では、どのような視点で学資保険を選べばいいのか。基準となるポイントを教えてもらいましょう。

 

「一番はやはり返戻率です。払い込む保険料の総額に対して、受け取る祝い金や満期金の合計額がどれくらいプラスになって戻ってくるのか。返戻率はその割合を示しています。返戻率が100%を超えていれば、保険料の払い込み総額より多くの学資金を受け取れる優良な学資保険。返戻率が100%に満たなければ、保険料の払い込み総額より受け取れる学資金が下回る“元本割れ”の学資保険となります。当然ながら、元本割れするものは避け、返戻率100%以上の貯蓄性の高いものを選ぶのが絶対ですね」

 

最近は元本割れする学資保険が数多いといいますので、要チェックです。

 

「次にタイプの見極めです。以前は、18歳前後を満期に保険料を払い込む学資保険が主流でしたが、最近はさまざまタイプが登場しています。例えば、中学受験の塾に通い始める10歳までに保険料を払い終えるプランや、児童手当を受け取れる15歳までに保険料を払い終えるプラン、小学校を卒業する12歳までに保険料を払い終えるプランなど、バリエーションが豊富になっているのです。必要に応じたタイプを選択するようにしましょう」

 

保険料払込期間の短期化が今のトレンドとのこと。じつは短期のタイプを選んだほうがお得度は上がるそうです。

「払込期間が短いほど、まとまったお金を保険会社で運用できる期間が長くなります。そのため、返戻率は高くなるのです」

 

夫ではなく妻を契約者にすると保険料が割安に!

竹下さん3回目【2】shutterstock_775853338

いざ学資保険に加入する際には、主に2つの留意点があるといいます。

「ひとつは、契約者の問題です。妻に収入があれば妻も契約者になれますが、夫婦共稼ぎの場合、夫ではなく妻を契約者にすることで保険料が割安になるケースが多いです。学資保険は死亡保障を兼ね備えており、その部分において、男性よりも女性のほうが長生きで死亡率も低いため、夫婦同じ年齢でも安くなるのです。妻のほうが歳下であれば、さらに保険料が割安になりますよ」

 

もうひとつは、中途解約の問題。途中で解約すると、ほぼ間違いなく損をするそうです。

「解約した時点での解約返戻金を手にできますが、その金額は払い込んだ保険料を下回るケースがほとんど。確実に満期まで続けるために、家計に無理のない保険料を設定するようにしましょう」

 

 

ファイナンシャルプランナー竹下さんおススメの学資保険5

最後に、竹下さんにおススメの学資保険を5つ挙げてもらいました。参考にしましょう。

 

◆日本生命「ニッセイ学資保険こども祝金なし型」

保険料の払込期間は5年、10年、学資年金開始時までの3種類。「こども祝い金なし型」はこどもの年齢0~6歳、「こども祝金あり型」は0~2歳まで入れる。

 

◆ソニー生命「学資保険(無配当)Ⅲ型」

学資プランは、円建て、外貨建ての2タイプ。学資保険は、中学・高校の入学費用等にも総合的に備えるⅠ型、18歳や22歳などにまとまった資金を受け取れるⅡ型、大学進学後から5年継続してまとまった資金を受け取れるⅢ型がある。

 

◆住友生命「スミセイのたのしみキャンパス」

子どもの教育資金に役立てることのできる、年金のしくみを活用した学資積立保険(個人年金)。入学金や諸費用に備えて、第1回年金は基本年金額の倍額、2回目以降も4年間年金を受け取れる。月換算保険料が1万5000円以上となると、保険料割引制度によって受取率がアップする。

 

◆明治安田生命「明治安田生命つみたて学資Ⅰ型」

保険料の払込みは、教育費の負担が比較的軽い時期に完了(10歳または15歳払込満了から選択)。保険期間は21年で、子どもの年齢0~2歳のとき、保険料払込期間は10歳および15歳から選択。子どもの年齢が0~6歳のときは15歳となる。

 

◆第一生命「5年ごと配当付こども学資保険mickey(C型)」

子どもが17歳または18歳の契約応当日に生存時に第1回の学資金が支払われ、以降、1年後から3年後までの年単位の契約応当日に学資金が支払われる。さらに、保険期間満了時には満期保険金が支払われる。契約者が6つの事由(①がん、②急性心筋梗塞、③脳卒中、④要介護状態、⑤身体障害状態、⑥死亡)のいずれかに該当した場合、以後の保険料の払い込みは免除となる。

 

教えてくれたのは…

ファイナンシャル・プランナー

竹下さくらさん

兵庫県神戸市生まれ。慶應義塾大学商学部にて保険学を専攻。損害保険会社、生命保険会社勤務を経て、1998年にFPとして独立、現在に至る。「なごみFP事務所」を共同運営。主に個人向けのコンサルティングに従事し、講師・執筆活動なども行っている。二児の母。『「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本』(日本経済新聞出版社)『「奨学金」を借りる前にゼッタイ読んでおく本』(青春出版社)など著書多数。

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