■貯蓄で備えるのはアリ?

近年、夫のいざという場面に備えるために、「保険」ではなく「貯蓄」で対応しようとする方も増えてきています。特に医療保険に関しては、わざわざ保険に入らなくても準備が可能という意見も少なくありません。 夫が健康保険に加入していて、一定の要件を満たしている場合、最大で18カ月間、傷病手当金を受け取ることができます。この傷病手当金は、 【支給開始日以前の継続した12カ月間の各月の標準報酬月額を平均した額】÷30×2/3 という数式で求められます。非常に複雑ではありますが、月々の夫の収入の、大体2/3は受け取れると考えれば良いでしょう。つまり、夫が入院して働けなくなった場合、すぐに収入がゼロになってしまうというわけではないのです。 また医療保険に加入しようとすれば、月々の保険金を欠かさずに収めていくことになります。一方で医療保険は、「すべての人が必ず使う」というタイプの保険ではありません。特にまだまだ若い時期には、入院する機会そのものが少ないですし、近年は「入院はできるだけ短期間で」という方針で治療を進める病院がほとんどです。 医療保険に加入し、せっせと保険金を支払っても、いざというときに受け取れる金額は、想像よりも少ないかもしれない……というわけですね。高額療養費などの制度もありますから、「保険ではなく、月々の貯蓄で乗り切る」という方法をとるのも一つの方法だと言えるでしょう。 ただし夫が自営業の場合、加入しているのは国民健康保険となります。こちらの場合は傷病手当金という制度がないので、より慎重に考える必要があります。

■まとめ

夫の身に万が一のことがあったら……。考えたくないことではありますが、将来のこと、子どものことを考えると、目を背けてはいけない問題とも言えます。 いざというときのために備える方法は、一つだけではありません。ぜひ自分たちの家庭に合った方法で、上手に備えてみてくださいね。