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いつでも安い!卵が「物価の優等生」といわれる理由とは?

マネー

2019.08.26

卵には人が生きていくのに必要な、たんぱく質や各種ビタミン、脂質やミネラル、カルシウムなどなど、あらゆる栄養素が含まれています。

これらのことから、卵は「完全栄養食」とも言われています。


■病気にでもならないと卵は食べられない

戦後間もない頃を過ごしたお年寄りからは、「何も無い時代だったから、何もかにも高かったな」「病気でもならなきゃ卵なんて食べられなかったよ」などという声がよく聞かれます。

それほどに貴重なものだった卵が一般家庭の普及し始めたのは、1955年(昭和30年)以降のことでした。

総務省統計局や農林水産省のデータによると、他の物価が高く推移しても卵の価格は多少の波はありながら、おおむね横ばい状態で安定しています。それはよく考えるとすごいことですよね。

他の食品と比べれば歴然です。牛肉の価格を見ると、1950年代は豚肉・鶏とほとんど同じだったのですが、今では豚肉・鶏肉の4倍近い価格になっているのですから。

 

 


■どうして卵は値上がりしないの?

私たちはどんなときに食品の価格が「高い」って感じますか?よく私たちは、食品の値段を1日前とくらべたり、1週間前、1カ月前、1年前と比べたりしませんか?それで、高い・安いの判断をする事が多いですね。

生鮮食品であれば、閉店間近に割り引いていないと「これって、高いかな…」と感じたりしますよね。でも、卵は時々目玉商品として特売で安くなることがあっても、1年中ほとんど価格が変わりません。

ふつう私たちが目にする価格は、「ものを作って売る」側の人たちが決めています。どれぐらいの手間や時間、費用がかかったか、それと需要など、を考えて決められているのです。

さらに卵に関しては、飼料の価格が販売価格を左右するとされています。現在、飼料のほとんどは外国からの輸入でまかなっています。

「1ドルが約108円(変動相場制)」の今と「1ドルが360円(固定相場制)」の時代と比べると、飼料を安く仕入れることができているのです。円高が卵の市場価格に大きな影響を与えていますね。

飼料ばかりではありません。たまご農家(生産者)さんは経営の大規模化を進め、人口の約倍数の親ドリ(産卵鶏:さんらんけい)を飼っています。

1戸当たり平均で63万2千羽、全国では、1億4千万羽というのですからすごいものです。

需要と供給のバランスを考えると、その親ドリたちが1日1個(実際は年間300個位)の卵を産みます。

日本人は一人当たりの年間で約330個と、メキシコに次いで2番目に多くの卵を消費しています。

他に、2018年(平成30年)には、香港などに15.3億円も輸出しています。これは日本産の卵が生食に適した品質であることをプロモーションした結果だそうです。いっぱい作って、いっぱい売る(食べる)、これって安くなる法則ですよね。

生産競争の激化によって市場価格が下がっていることもありますが、親トリ(産卵鶏)の品質改良、養鶏場の整備・管理など、生産者(たまご農家)の皆さんの努力で安価の卵ができているわけです。これが「物価の優等生」といわれる理由です。


■江戸時代でも卵って安かったの?

そういったわけではなさそうです。江戸末期に卵の販売を目的とした養鶏所ができましたが、養鶏所ができたからといっても一般庶民が今ほど簡単に食べられたわけではありません。

それまでは農家が庭で飼っていたニワトリが産んだ卵を、野菜といっしょに売っていたということらしいです。

江戸末期に書かれた風俗誌「守貞謾稿(もりさだまんこう)」には、ゆで卵(卵の水煮)が1個20文で売られていたと書かれています。「江戸時代物価早見表」を見ると、1文を16.5円として換算していますから、ゆで卵1個が今でいう330円になります。

コンビニで売られている味付け煮卵ですら、さすがにそこまでは高くないでしょう。当時は月見そばなんてかなりのぜいたく品だったのでしょうね。

少し時がたつと、将軍家の献立になるほどのごちそうだった卵が、徐々にですが安くなり、多くの江戸っ子たちに広まって口にされるようになったとのことです。

 

 


■江戸時代の卵料理

江戸時代の卵料理のレシピが数多く残されています。1785年(天明5年)には「万宝料理秘密箱 卵百珍(まんぼうりょうりひみつばこ たまごひゃくちん)」という料理本が発売されました。

当時が百珍ブーム(100種類の調理法の紹介)だったので、「卵百珍」と呼ばれました。中には、いかにも江戸っ子が喜びそうな、103種類の卵料理のレシピが載っています。

ゆで卵は「煮貫(にぬき)」という料理名で登場し、「新撰絵本柳樽(しんせんえほんやなぎだる)」という本では、てんびんでゆで卵を売る行商人の姿が描かれています。

古川柳では「売りだめに桜のまじる玉子売り」と詠まれており、春の花見の季節に売り歩いたことがわかります。

江戸っ子はかなり卵料理が好きだったとみえ、江戸時代の文献「仙台下向日記」・「東海道中膝栗毛」には卵百珍の一つ、「卵ふわふわ」といった料理が登場します。

静岡県袋井市の観光協会ではこれを再現し、今ではご当地グルメの一つとして、とても人気があるそうです。ちょっとロマンを感じませんか?


■卵に関する豆知識あれこれ

卵には赤玉と白玉がありますが、「なぜか赤玉の方が栄養がある」と思う人が多いようですがそれは間違いです。

卵の黄身も、「色に赤みがあって濃い方がおいしい」と思われがちですが、全く違いはありません。食べたエサによって黄身の色が変わるだけです。

卵のサイズは、白身の量が違うだけで、黄身の大きさにはほぼ変わりがありません。

有精卵は、大量生産できる無精卵より高値ですが、栄養学的な違いはないそうです。


■まとめ

「物価の優等生」の卵、昔から滋養強壮に良いとされている卵。先人の努力によって、安全で、安く手に入る現代に感謝しましょう。

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