2019.05.20
自分にもしものことがあったとき、遺された家族が困らないように残しておけるのがエンディングノートです。高齢になると書くイメージが強いかもしれませんが、最近では若い世代の人が万が一のことを考えて、エンディングノートを書いていることもあるようです。
亡くなってしまったあとは自分の意志を遺族に伝えることができません。しかしエンディングノートがあれば、自分の気持ちや相続についてなどの意志を伝えることができます。
エンディングノートとはどんなものなのか、また、エンディングノートの書き方などについてご紹介します。
■エンディングノートとは
エンディングノートとはその名のとおり、人生の終わり方について書き記すノートです。人生の最期をどのように過ごしたいか、自分が亡くなったあとはどのようにしてほしいかなどを書くことで、残りの人生について考えることができます。
これまでどう生きてきたか振り返るきっかけにもなるため、これからの人生をどのように生きるか考えることもできます。
エンディングノートに書く内容はさまざまですが、基本的には遺された家族が困らないように、自分の情報や希望などを残します。また、家族に面と向かってはいえないような、感謝の気持ちなども残すことができます。
以前はエンディングノートといえば、高齢の人や残りの人生がわずかな人が書くものというイメージが強かったですが、最近では世代を問わず、もしものときのために書いている人も多いようです。
■エンディングノートの必要性
エンディングノートを書いていなければ、自分にもしものことがあったとき、自分の意思を尊重してもらうことができません。
もし自分が余命わずかな病気になったとき、または意識不明の重体になってしまったときに、延命措置をしてほしくないと思う人もいることでしょう。
エンディングノートは生前の自分の意志を書き残せますので、延命措置や臓器提供の希望などについて家族に伝えることができます。
尊厳死については家族でも意見が分かれるところですが、本人の意識がなければ家族に委ねることになります。エンディングノートがあれば自分の意志を家族に伝えられるため、家族も本人の意思を尊重することができます。
また、エンディングノートに葬儀の希望やお墓についてなども書き残せますので、遺族同士が葬儀のことでもめることもありません。
■エンディングノートは遺言書ではない
エンディングノートに遺産や相続について書き残す人もいますが、エンディングノートそのものには法的拘束力がないため、希望どおりになるとは限りません。
形見分けとして受け取ってほしい品などについて書くのは構いませんが、相続の対象になるほど高額なものは書かないほうが良いでしょう。
遺産や相続について自分の意思を残しておきたいなら、遺言書を作成しておく必要があります。遺言書が法的に有効になるように、公正証書にしておくと良いでしょう。
エンディングノートに遺産や相続のことを書く場合、遺言書を書いている場所について記入しておけば、相続による家族のもめごとを減らすことができます。
■エンディングノートはジャンル別で書き残すこと
エンディングノートは、特に決まった書き方があるわけではありません。ノートの形式も自由なので、市販の大学ノートをエンディングノートとして使用しても良いですし、エンディングノートとして販売されているものを使用しても構いません。
書き方として気をつけなくてはならないのが、思いついたまま書き記していくと、遺族が目を通したときに分かりづらい場合があります。
市販されているエンディングノートは書き残すジャンル別に分かれていますので、自分でジャンル分けするのが面倒だと思う場合は、市販のものを利用したほうが良いでしょう。
■あせらず少しずつ書き足していく
エンディングノートを書こうと決めると、一気に仕上げなければいけないと思う人も少なくありません。
最終的には疲れてしまい、内容が適当になってしまったり、大切なことをはしょってしまうこともあるでしょう。
エンディングノートは一日で完成するものではありません。少しずつ大切なことを思い出しながら、日記のように書き足していくものです。
また、昨日はあまり必要でないと思えたものでも、翌日になるとやはり大切だと思いなおすこともあるので、何度でも書き直すこともめずらしくありません。
■自分の基本情報は必ず記入しておく
自分にもしものことがあったとき、遺された家族が困るのが亡くなった人の個人情報が分からないという点です。
特に最近はパソコンやスマートフォンなどのモバイル端末を使用している人も多いため、毎月課金が必要なものも少なくありません。また、SNSなどを利用している場合、退会手続きをとらなければ情報がアップされたままになります。
インターネットで使用しているアカウントやパスワードをエンディングノートに書いておけば、遺族が退会や解約処理を行うことができるので、必ず書き残しておくようにしましょう。
また、使用しているカード情報や契約している携帯電話会社、加入している保険情報やマイナンバーなども残しておくと、遺族が手続きをとりやすくなります。
■まとめ
エンディングノートには、他にも葬儀に呼びたい自分の友人や知人などを書き残すことができます。連絡先一覧を記入しておくと、遺族も連絡をスムーズにとることができるでしょう。