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これで将来困らない!お金のプロが教える「給付型」奨学金ガイド

マネー

2019.04.25

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大学進学のための資金が足りないとき、頼みの綱として知られる「奨学金」の制度。私立の大学ともなると4年間の授業料などで大金を必要とするため、奨学金に頼らざるを得ない家庭は多数を占めます。ただ、一歩間違えば子どもに莫大な借金を背負わせ、長年、返還に苦しませることになりかねない。そう考えて躊躇してしまう人が少なくないのではないでしょうか。

 

返さなくていい「給付型」奨学金が急拡大


「奨学金の制度は使い方によって明暗が分かれます。闇雲に利用したら苦しい現実が子どもに待っていますが、賢く利用すれば親は教育費の負担を大幅に減らせて、子どもに苦労を背負わさずにすむのです」

 

こう語るのは、『「奨学金」を借りる前にゼッタイ読んでおく本』の著者で、ファイナンシャル・プランナーの竹下さくらさん。奨学金の仕組みや賢い活用法を詳しく教えてもらいましょう。

 

まず基本から。奨学金の借り方の選択肢は、大きく「貸与型」と「給付型」に分かれます。前者は借りた学生本人が返還しなければならない奨学金で、後者は返還する必要がない奨学金です。

「注意すべきは当然ながら貸与型のほう。無計画に借りるとあとで重荷となり、苦労するのが目に見えています」

 

であるなら、返還しなくてもいい給付型を誰もが求めるでしょう。そこで朗報が!

「近年、給付型の奨学金制度が急拡大しています。すべての人が利用できるわけではありませんが、少しでも可能性があるなら申し込んでみるべきです」

 

日本学生支援機構の給付型を第一に検討

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給付型の奨学金制度はさまざまな機関で実施されています。その代表格である「日本学生支援機構(JASSO)」を第一の検討先として挙げます。

「JASSOでは奨学金制度を大改正した2017年度に給付型の奨学金を新設し、同年度の先行実施を経て2018度から本格実施されました。給付額は国公立大か私立大か、自宅通学か否かによって異なり、月額2~4万円が支給されます」

 

◇JASSO給付型奨学金の支給額

奨学金の表【最新】

 

気になるのは給付型奨学金を受けられるかどうかの要件でしょう。

「基本的には低所得家庭を対象とし、住民税非課税世帯が中心。加えて、学業成績や人となりなどが要件となります。成績優秀者しか受けられないと思われがちですが、成績は必ずしも優秀である必要はなく、概ね満足できるレベルなら問題ありません。重要視されるのは家庭の所得水準と、本人が人物として優れているかどうか。諸条件を調べて申し込めそうなら、お子さんが通う高校の先生に相談してみると良いでしょう」

 

JASSOの給付型奨学金の支給額は2020年4月から拡充される見通し。国公立大は自宅通学なら年35万円、自宅外通学なら年80万円、私立大は自宅通学なら年46万円、自宅外通学なら年91万円と大幅にアップされます。

 

ちなみに、JASSOには“無利息”で借りられる貸与型の奨学金があり、前述した大改正により事実上利用枠を撤廃。「高校の成績が平均35以上」および「年収747万円以下(4人世帯)」という条件を満たせば、原則として申請が下りるようになりました。

「給付型が通らなかった場合、無利息の第一種奨学金を選択するのもひとつの手です」

 

大学独自の給付型奨学金も多数あり

給付型奨学金の第二の検討先は大学になります。各大学では独自に奨学金制度を設けており、「国立大も私立大も、返さなくていい給付型の奨学金の数が近年急増している」という流れなのでチャンス。

「給付金額や募集人数、審査基準(家計基準、学業成績基準)は各大学によって異なります。私立でいえば、年100万円の支給を得られる大学や、1000人規模で広く募集している大学など、充実した内容ものが数多くあります。それでいて家計要件は税込み年収700800万円前後と、JASSOの給付型奨学金よりも緩い基準で利用できるところが大半です。希望する大学のHPなどで詳細を要チェックしてください」

 

私立大学の給付型奨学金の一例

 

申し込み時期に注意!逃せばアウトに

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注意が必要なのは奨学金の申込みを行う時期です。JASSOの給付型奨学金にしろ、大学の給付型奨学金にしろ、その時期を逃すと奨学金を受けられなくなってしまう可能性が高いことを肝に銘じましょう。

 

では、申込みの時期はいつなのか。JASSOの給付型奨学金から教えてもらいます。

JASSOの奨学金の申込み方法は、進学前に、在籍する高校を通して予約して申し込む『予約採用』と、大学進学後に申し込む『在学採用』の2パターンです。ただし給付型奨学金の場合、予約採用でしか申し込めません。高校時代から備えなければならず、大学に進学してからでは遅いのです」

 

基本的に高校での奨学金の説明会は毎年4~5月にかけて実施。この説明会を逃さないことが何より重要になるといいます。

「給付型奨学金を望むなら、高校3年時に必ずこの説明会に参加して、5~6月頃の予約採用の締め切りまでに申し込むこと。予約採用申込み締め切りは11月頃にもう一回ありますが、このタイミングでは給付型奨学金は申し込めません(ただし、2020年度入学者分は変更される予定なので、高校などに確認する必要あり)」

 

ちなみに、無利息の第一種奨学金も、給付型奨学金と同様に予約採用で申し込んだほうが借りられるチャンスが広がるため、高校3年の5~7月頃に申し込む必要があります。第一種奨学金の場合、予約採用で申し込めるのは5~7月頃のみ。1回しかチャンスがないので要注意とのことです。

 

次に大学の給付型奨学金。こちらにも「予約型」があり、このタイプは受験前に予約して申し込む必要があります。

「高校3年秋の出願のタイミングなどに申込み、合格したら支給される仕組みです。予約型は地方出身者を対象にしたものが多く、家計が苦しく、上京をあきらめていた受験生にメリットが大きい制度といえます」

 

「奨学金は情報収集が一番のキモ」と竹下さん。知らなければ給付型の申し込みを行えず、その恩恵にあやかれません。知っている人だけが得をするということを頭に入れて、情報戦を制しましょう!

 

※奨学金の情報は2019年2月21日時点のものです。

 

教えてくれたのは…

ファイナンシャル・プランナー 竹下さくらさん


兵庫県神戸市生まれ。慶應義塾大学商学部にて保険学を専攻。損害保険会社、生命保険会社勤務を経て、1998年にFPとして独立、現在に至る。「なごみFP事務所」を共同運営。主に個人向けのコンサルティングに従事し、講師・執筆活動なども行っている。二児の母。『「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本』(日本経済新聞出版社)『「奨学金」を借りる前にゼッタイ読んでおく本』(青春出版社)など著書多数。

 

取材・文/百瀬康司 

 

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