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葬儀のプロが知る「生前に相続を話し合うべき」理由

マネー

2021.12.27

遺産相続は揉めると言われている昨今。「親がまだまだ元気」でも、突然の訃報はありえます。そして、相続の揉めごとは親の死後とり行われる、葬儀から起こるケースがあるんだとか。

 

この年末年始、親族で会う機会がある人はちょうどいいタイミングかもしれません。では、いったい何を話し合えば?相続の相談サービスも行う仏事関連総合サービスの(株)メモリアルアートの大野屋・箱崎容也さんに話を聞きました。

葬儀費用について火葬場から相続のことで揉めるケースも

── 親の死後、葬儀の段階で相続の問題が表面化してしまうケースがあると聞きます。具体的な例を教えてください。

 

箱崎さん:

葬儀は故人が亡くなって最初に親族が集まる場所なので、そこで初めて遺産相続の話をすることが少なくありません。特に火葬中の待機時間で、相続の話をされる場合もあります。

 

また葬儀を行う前に、すでに親族で相続の話が始まったことから葬儀の内容を変更するケースもあります。実際には、故人のお子様である喪主様が葬儀の見積もりをとった後、葬儀直前に「金額が高い」と相談されたことがありました。

 

喪主様がきょうだいに葬儀の見積もりの話をした際に相続の話が持ち上がり、「相続する金額を考えると葬儀はもっと安く済ませたほうがいい」となったようです。

 

故人に配偶者がいる場合はまた違いますが、その配偶者も亡くなっている場合にはお子さんが葬儀費用を用立てることになると思います。

 

そのため喪主様である長男・長女が多く支払うのか、きょうだいみんなで均等に支払うのかという問題を、相続する遺産の分配と絡めて考えたいというご要望も聞きます。

 

また、葬儀の費用と相続する遺産についてきょうだい同士は納得しているものの、その配偶者が思うところがあって揉めてしまうケースもあります。

葬儀から時間が経つほど親族が騒ぎ立てる訳

── 慌ただしい葬儀が終わって、ひと段落してから相続の問題に取り掛かるほうがスムーズにいくのかなと思っていました。

 

箱崎さん:

相続は不動産や税金、遺言書など、多くの案件があり、行政書士や税理士など、さまざまな専門家を探す必要があります。ふだん見たことのない書類ばかりで、葬儀が終わった後に重い腰をあげて準備するのは、精神的にも心理的にもハードルが高い。

 

葬儀後に相続について手をつけずに時間がかかっていると、「何かを企んでいるのではないか」と、親族間から不要な不信感を持たれてしまうケースもあるそうです。

 

もちろん、それぞれの事情があるので一概には言えませんが、葬儀から相続まであまり時間をかけずにスムーズに行うことは大切だと思います。

事前に相続のことを話し合えば、故人を偲んだ葬儀ができる

── 顔を合わせる葬儀の場で親族間の相続トラブルをなくすためには、どういった準備ができるでしょうか?

 

箱崎さん:

弊社では葬儀を執り行って頂いた直後に、「これから始まる相続のことが何もわからない」と相談されるケースがあります。

 

そのため最近では、葬儀社が相続に関して行政書士などを紹介することもあります。弊社でも大手士業グループと提携し葬儀後に法務・税務の専門家へあらゆる相談ができるサービスを始めました。

 

葬儀を考える際に、こうしたサービスが提供できる葬儀社を選ぶのも相続トラブルを防ぐポイントになってくるかと思います。

 

葬儀は大きな資産が動くことになるので、葬儀の見積もりの際には喪主様だけでなく相続人になる方やその配偶者も含めて事前に葬儀費用とともに、相続する遺産についても金額の確認をしておくこともおすすめです。

 

一般的に相続で争う場合は金額の大小ではないことは、平成28年の司法統計の結果からも明らか。統計の「家庭裁判所に持ち込まれた遺産分割事件のうち認容・調停成立件数」には、遺産額が1000万円以下の事件件数割合は33%、さらに5000万円以下になると75%というデータが出ています。

 

遺産の額が少なくても揉めるときは揉めることがわかります。だから、葬儀をする際には相続の準備がある程度できていれば、穏やかな気持ちで葬儀に臨むことができます。

 

何の準備もなく、面倒な相続問題が待ち構えているとなると、亡くなった大切なご親族を落ち着いてお見送りすることも難しいでしょう。故人を偲ぶ葬儀にするためにも、故人が元気なうちから相続について、話し合ったり相続相談ができる葬儀社を使ったりといった選択肢を持っていただきたいですね。

 

PROFILE 箱崎容也さん

株式会社メモリアルアートの大野屋  経営企画本部。手元供養商品の企画開発も行う。

取材・文/秋山悠紀 ※画像はイメージです

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