負動産を遺さないために親ができることとは?

相続の問題は子どもだけでどうにかするものではありません。親が事前に準備をしてしておくこともできます。 親の対場から不動産の相続に関してできることはなんでしょうか?

 

財産の現状を確認しておく

子どもがするべきことと重複していますが、親が自分で調べられるのであれば、自分で調べてもらいましょう。 その過程で、親として子どもたちにどのような形で相続をしてもらいたいかについて考えを整理してもらうと、その後の話し合いがスムーズです。

 

財産価値の有無を明確にする

財産について整理ができたら、次は財産価値があるもの、ないものを明確にしておきましょう。 財産価値を明確にすることで、何を遺すことが子どもにとってよいのかが見えてきます。

 

ただし、自己判断で財産価値を決めるのは避けたいところ。個人的に思い入れがあるものなどは、つい「これは価値があるはず!」と思い込んでしまう傾向があります。その結果、悪気なく子どもを振り回してしまうことも。 これを避けるためにも、客観的に見て価値がある資産なのかどうかを判断してもらいましょう。 例えば土地・家屋は不動産屋さんを通して不動産鑑定士に資産価値を試算してもらうのがおすすめです。

 

相続税の試算をしておく

資産を相続する場合、相続税が発生します。 子どもの負担にならないか、無理なく維持していけるのか試算する必要があります。

 

子どもたちが相続税を払うことが難しい場合は、事前に資産を整理したり、子どもが相続放棄をする可能性も考え、どのように対処するのか決めておくとよいでしょう。

 

誰が何を相続するのか決めておく

相続はきょうだい間のトラブルを引き起こすことがあります。これを回避するために、親がある程度誰が何を相続するのか決めておくという手もあります。

 

相続人を決める際には専門家に相談し、確認をしながら法律に沿った有効なものを残すようにしましょう。 相続させたい人がいない場合には、売却をするのか、相続人でない人に寄贈するなどの方法もあります。

 

後々トラブルになることを避けるためにも、具体的に相続人や相続方法、遺産の分配方法などを決めておきましょう。

「負動産」問題は私たちにとって他人事ではない


親がせっかく残してくれた不動産を「負動産」にしないためには、早めの対策が必要です。 親が元気な今だからこそ、最善策をみつけるために、家族で話し合ってみてはいかがでしょう。

 

文/今野由奈