お薬手帳を持っていくだけで薬代も安くなる!?


1年間で病院にはそれほどかからないという人でも、たとえば常備薬で毎月頭痛薬や花粉症の薬を購入しているというような人には「セルフメディケーション税制」が使えるかもしれません。これは、対象の市販の医薬品を購入した場合、年間1万2千円を超える部分が所得控除になるという制度です。 医療費の支払いが年間10万円超の場合は、医療費の一部を所得から控除する「医療費控除」が受けられますが、その制度に似ていますね。 セルフメディケーション税制と医療費控除は、どちらか一方を選択肢して利用することになります。いずれも、確定申告すれば会社員の方でも控除が受けられるので、医療系のレシートはとにかくすべて取っておくようにしましょう。

 

さらに、調剤薬局でお薬を処方された際に支払う金額を安くするコツもあります。まったく同じ薬を同じ量処方されても、処方してもらう薬局やお薬手帳の有無で金額が変わるのです。まずはお薬手帳についてご説明します。

 

お薬手帳は薬の情報を記録するものですが、昔はお薬手帳がないほうが支払い金額は安く済んでいました。ところが2016年4月に調剤報酬改定が行われ、お薬手帳を持参したほうが安くなるという風に変わったのです。薬を処方される際にもらう「調剤明細書」には、それぞれの項目に点数が記載されており、1点10円で計算されます。お薬手帳を持参しない場合は「薬剤服用歴管理指導料」が53点に対して、持参すると41点になります(半年以内に来訪した場合で対象となる薬局の場合)。負担額は通常その3割なので少額ではありますが、節約のためにも、もちろん処方された薬の情報を管理するという意味でもお薬手帳は必ず持参しましょう。ちなみに今はアプリも出ているので、つい持っていくのを忘れたということも防げます。

 

同じ薬を同じ量処方されても、薬局によって料金が変わるのが「調剤基本料」。街中などにある小さな薬局は通常41点ですが、大型病院の近くにある薬局(門前薬局)やチェーン展開している薬局では15〜25点、病院内にある薬局では10点と、かなりの差があります。病院内にある薬局のほうが安く済むというのはちょっと意外かもしれません。 さらに、いわゆるジェネリック薬品を何割以上使用しているかによって決まる「後発医薬品調剤体制加算」や、時間外・休日に行くことで追加されてしまう「夜間・休日等加算」などによっても支払う金額は変わってきます。

 

調剤明細書は細かくて難しい部分もありますが、まずは「調剤基本料」に着目し、もし90点を超えているなど高い点数が付いていれば、様々なサービスがあって便利な薬局だとしても、自分にとっては不要なサービスのために余計に支払っている可能性があるので、薬局選びを見直してみるといいでしょう。