2019.02.23
毎日一生懸命に働いているはずなのに、なかなかお金が貯まらない!なんて経験はありませんか? 努力が結果に結び付かない状況は、非常に辛いものですよね。ストレスが溜まれば、さらに家計に悪い影響を与えてしまう可能性もあります。
一生懸命働いていてもお金が貯まらないのは、メンタルアカウンティングが関連しているのかもしれません。効率よくお金を貯めるため、知っておきたいメンタルアカウンティングの基礎知識を紹介します。
■メンタルアカウンティングとは?
まずはメンタルアカウンティングという言葉の意味についてです。まだまだ「初めて聞いた」という方も多いのかもしれませんね。日本語では「心の会計」と訳され、行動経済学で示される概念の一つとなります。
いったいどういうことなのかというと、「人がお金に関するさまざまな判断をするとき、お金を取り巻く状況を総合的に判断し、しばしば非合理的な判断をしてしまう」ということを示しています。具体的には、以下のような例がメンタルアカウンティングに当てはまります。
★普段はケチなのに、パチンコで儲けた1万円は気前よく使う
労働して得た1万円も、パチンコで儲けた1万円も、貨幣としての価値は同じです。それにも関わらず、その使い方に差が出るのは「ギャンブルで儲けたあぶく銭」という意識が働いているためだと考えられます。
無意識のうちに、お金の色分けを行っていて、それが浪費行動につながっています。
★コーヒーを買うのは節約しつつ、「ご褒美」のブランド品は即購入する
冷静に判断すれば、コーヒーの価格はわずか数百円で、ブランド品は数万円。節約するならどちらを控えるべきなのか、一目瞭然です。しかし実際には、「ご褒美だから」という判断で、高価なブランド品を購入してしまうケースも少なくありません。
自身の感情が消費活動に影響を与え、それが非合理的な判断につながっていることがわかります。
★旅行中には、つい財布の紐が緩んでしまう
普段のランチは数百円でも「高い」と思うのに、旅行中は数千円でもためらいなく支払ってしまう!なんてことはありませんか? 同じ「ランチ」であっても、前者は「生活費」、後者は「特別費」だと、自分の心が勝手に判断しているためです。
このように、実は私たちの消費活動には、それぞれの「心」や「考え方」が深く関わっています。これこそがメンタルアカウンティングの内容であり、浪費の原因になってしまっていると予想されます。
■まずは自分の行動を意識することが大事
場面や状況に応じてお金の使い方を変えることは、ある意味で人間にとって当たり前のこと。コツコツとお金を貯め、やっと実現した家族旅行で、いつもと同じケチケチっぷりを発揮したところで、家族の満足度が上がるとは思えません。また毎日頑張っているからこそ、「ご褒美」が必要な場面だってあるでしょう。
メンタルアカウンティングは人間にとって身近なもので、それが「悪い」というわけではないのです。
ただし一点だけ注意しなければならないのは、私たちは通常、このメンタルアカウンティングを「無意識のうち」に実行してしまっているということです。
いつもコーヒーを節約しているからと、日常的に「ご褒美」を購入していれば、お金が貯まらないのは当たり前のこと。しかし自分にとっては無意識の行動だからこそ、「お金が貯まらない理由」にも気付きにくいというわけですね。
だからこそ大切なのは、まず「メンタルアカウンティング」の存在について意識することです。お金に関して何か判断を行う際には、心の会計が判断を鈍らせていないかどうか、意識するだけでも状況は変わります。
金額の大きな買い物をする際には、特にメンタルアカウンティングがかかることが多いと言われています。お金の価値や自分たちの考え方について、今一度しっかりと見つめ直し、納得できるお会計を目指してみてください。
■メンタルアカウンティングでお金を貯めよう!
メンタルアカウンティングは、「お金が貯まらない理由」「浪費を引き起こす仕組み」の中で語られるケースが多いです。しかしお金に関する人間の心理的行動を利用すれば、「貯める」という方向に向けることもできるのです。
メンタルアカウンティングを活用してお金を貯めたい!と思ったときには、ぜひ以下の方法を実践してみてください。
★給料日を迎えたら、生活費以外を貯蓄用口座に移す
口座の中にたくさんお金が入っていると、なぜか安心感がある!という方はいませんか? 口座に100万円入っているときの「1万円」と、5万円しかないときの「1万円」。貨幣としての価値は同じであるにもかかわらず、前者の方を軽く考えてしまいがちです。
メンタルアカウンティングを活用してお金を貯めたいなら、意識的に後者の状況を作り出すのがオススメです。先取貯蓄でお金を隠してしまうことで、無駄遣いを防ぐ効果が期待できます。
★お財布の中に、なるべくお金を入れない
同様のことが、お財布の中でも言えるでしょう。お財布がパンパンのときの千円と、最後の千円では重みが違って感じられるはず。こちらでも、常に後者を意識することで、節約モードを高められます。
★キャッシュレス決済から、できるだけ遠ざかる
キャッシュレス決済が便利な時代になっていますが、決済が楽だと、心理的ハードルが下がってしまいます。こちらでも、あえて面倒な現金払いのみを選択することで、良いメンタルアカウンティングへとつなげていけることでしょう。
■まとめ
お金に対する判断が常に非合理的になり、それに振り回されてしまうと、お金はなかなか貯まりません。働く女性たちの中にも、「今日は仕事頑張ったからいいか!」なんてメンタルアカウンティングに、心当たりがある方も多いのではないでしょうか。
「あ、これが非合理的な判断なんだ!」と気付くことから、消費傾向は変わってきます。ぜひ意識して、毎日の生活を「貯められる家計」へと変えていきましょう!