みんなの支出はどうなっている?

30代では結婚や子どもの誕生、住宅購入など、さまざまなライフイベントが起こり、20代の頃よりも生活にかかる費用が増えます。

 

総務省「家計調査報告」によると、30代の消費支出の平均額(2人以上の世帯)は286017円。20代までの平均は22320円ですから、それに比べると格段に増えています。

 

とはいえ、40代の平均は332539円、50代の平均は354252円と、ここからさらに増加していきます。それを考えると、30代のうちに収入を増やすこと、支出を減らして貯蓄を増やすことの大切さがよくわかるでしょう。

 

さらに詳しく、30代の消費支出の内訳を確認してみると、次のようになっています。

 

  • 30代の消費支出の平均額(2人以上の世帯)
総務省「家計調査報告」(2019年)「世帯主の年齢階級別」より作成

 

毎月の手取りの収入からこの金額を引いた金額が、貯蓄できる金額です。とくに30代の世帯では、子どもが生まれる時期ですので、子どもの洋服や紙おむつ、幼稚園・保育園の費用などがかかる傾向がみられます。

 

なお、住居費は少ないと思われる方が多いでしょう。ここには住宅購入や住宅ローン返済に関わる費用が含まれないこと、持ち家(実家暮らし)などで住居費がかからない人もいることがその要因です。結婚し、住宅ローンを借りてマイホームを手に入れたとなれば、これらの費用とは別に毎月の返済も発生します。

 

みなさんの家計と見比べてみて、いかがでしょうか。基本的に、50代まではこれらの支出金額も増えていく傾向にあります。もし飛び抜けて多いという費目があったら、その原因を見直しましょう。

 

また、こうした統計に表れにくい支出にも注目。その代表はサブスク(サブスクリプション)でしょう。サブスクは定額でモノやサービスが使い放題になる仕組み。動画や音楽の視聴し放題、食べ放題や飲み放題、洋服やバッグのレンタルし放題など、サービスは多岐にわたります。

 

消費者庁の調査では、ひと月あたりのサブスクの支払金額が、ほとんどの世代で約半数が1000円以下となっています。

 

  • ひと月あたりのサブスク支払金額
消費者庁・三菱UFJリサーチ&コンサルティング「サブスクリプション・サービスの 動向整理」

 

しかし、中には5000円や1万円と多くの金額をかけている方もいます。同調査によると、30代の利用者の23.1%が3つ以上のサービスを利用しているとのこと。なにより、サブスクの市場自体がこれからもさらに広がることで、利用者も利用金額もますます増えていくでしょう。

 

もちろん、定額制のメリットを生かして、支出が抑えられるサブスクを使う分には問題ありません。しかし、使わなくなったサブスクはムダな固定費でしかありません。利用状況を確認して、お得や便利さを感じないなら、早いうちに解約するべきでしょう。

   

以上が、30代の平均貯蓄と平均収入、さらに支出の動向です。平均はあくまで平均ですが、今回のデータを参考に、自分にどのくらいの収入・支出があって、どれだけ貯めておくべきなのか、そしてそのためにどうすればいいのか、ひとつずつ考えて実践してくださいね。

 

文/畠山憲一