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■エンディングノートは遺言書ではない

エンディングノートに遺産や相続について書き残す人もいますが、エンディングノートそのものには法的拘束力がないため、希望どおりになるとは限りません。 形見分けとして受け取ってほしい品などについて書くのは構いませんが、相続の対象になるほど高額なものは書かないほうが良いでしょう。 遺産や相続について自分の意思を残しておきたいなら、遺言書を作成しておく必要があります。遺言書が法的に有効になるように、公正証書にしておくと良いでしょう。 エンディングノートに遺産や相続のことを書く場合、遺言書を書いている場所について記入しておけば、相続による家族のもめごとを減らすことができます。

■エンディングノートはジャンル別で書き残すこと

エンディングノートは、特に決まった書き方があるわけではありません。ノートの形式も自由なので、市販の大学ノートをエンディングノートとして使用しても良いですし、エンディングノートとして販売されているものを使用しても構いません。 書き方として気をつけなくてはならないのが、思いついたまま書き記していくと、遺族が目を通したときに分かりづらい場合があります。 市販されているエンディングノートは書き残すジャンル別に分かれていますので、自分でジャンル分けするのが面倒だと思う場合は、市販のものを利用したほうが良いでしょう。

■あせらず少しずつ書き足していく

エンディングノートを書こうと決めると、一気に仕上げなければいけないと思う人も少なくありません。 最終的には疲れてしまい、内容が適当になってしまったり、大切なことをはしょってしまうこともあるでしょう。 エンディングノートは一日で完成するものではありません。少しずつ大切なことを思い出しながら、日記のように書き足していくものです。 また、昨日はあまり必要でないと思えたものでも、翌日になるとやはり大切だと思いなおすこともあるので、何度でも書き直すこともめずらしくありません。

■自分の基本情報は必ず記入しておく

自分にもしものことがあったとき、遺された家族が困るのが亡くなった人の個人情報が分からないという点です。 特に最近はパソコンやスマートフォンなどのモバイル端末を使用している人も多いため、毎月課金が必要なものも少なくありません。また、SNSなどを利用している場合、退会手続きをとらなければ情報がアップされたままになります。 インターネットで使用しているアカウントやパスワードをエンディングノートに書いておけば、遺族が退会や解約処理を行うことができるので、必ず書き残しておくようにしましょう。 また、使用しているカード情報や契約している携帯電話会社、加入している保険情報やマイナンバーなども残しておくと、遺族が手続きをとりやすくなります。

■まとめ

エンディングノートには、他にも葬儀に呼びたい自分の友人や知人などを書き残すことができます。連絡先一覧を記入しておくと、遺族も連絡をスムーズにとることができるでしょう。