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奨学金返済を逃れる裏技の指南サイト続出に批判の嵐

マネー

2018.10.27

20181026_graduation_01「お金で進学をあきらめないで!」。日本学生支援機構(JASSO)の公式サイトに記載の通り、学費に困っている学生にとって奨学金は救いとなる制度。ところが現在、奨学金返済に関する「裏技」が世に出回っているそうです。“違法ではない”と言われる抜け道はどんなものなのか? 詳しくこの問題をみていきましょう。

 

意外と知られていない奨学金制度の実態


JASSOは、日本最大規模の学生支援機構です。奨学金としての貸出方法は種類や返済時期などにより様々ですが、一点注目すべき条件が。奨学金は通常社会人になって返済開始となりますが、“在学中”は返済が猶予されて卒業しなければ返済が始まりません。

 

“別の大学に在籍する学費”と“奨学金の返済額”を比較し、学費の方が安ければ在学を続けた方が“お得”。例えば、大学卒業後に別の大学に在籍して返済を猶予し、返済額より安い学費を払う方法が考えられます。社会人になって別の大学に通うのは現実的に難しいと感じますが、中には在籍中の単位取得が必要ではない通信制大学の存在も。“奨学金の返済逃れ”を行う裏技は、金額面での比較で成立してしまいます。

 

猶予され続けた奨学金はどうなるかというと、最終的には「本人が死亡した場合、返済が免除される」条項により“逃げ切る”ことが可能。こうした裏技があることはどのように広まるのでしょうか。

 

ネット上で増え続ける裏技指南サイト


試しに「奨学金 裏技」で検索してみると、個人ブログからまとめサイトに至るまで多数の“裏技紹介サイト”がヒット。法律的な解説を含めた複数案が掲載されていて、あたかも“奨学金の返済逃れは正当な権利”と錯覚する人も出てしまいます。

 

あるまとめサイトは、奨学金返済に苦しむ債務者の実態を記載。海外での奨学金制度は“給付型”が一般的ですが、日本の奨学金制度は返済義務があり金利もつくためいわゆる“借金”となります。この違いは大きく、日本型では当然ながら金利や延滞金も場合により追加されることに。“裏技”に歯止めをかけるためには、制度設計の検討も必要かもしれません。

 

奨学金返済に関する裏技について、ネット上では「正直者が馬鹿を見るみたいな裏技は社会としてやっぱりおかしい」「「悪いのはわかるけど、就職をミスったから裏技使わせて欲しい…」「借りたものは返そうよ。返せないものは借りちゃいけない」といった声が上がっていました。

 

世界各国での教育費の考え方とは?


大学進学における資金の悩みは日本固有のものではありません。あるべき制度を考えるため、海外にも視野を広げてみましょう。まず、奨学金=教育費はそもそも誰が負担するべきかという原則について。東京大学の小林雅之教授によると、「社会が支える」「家族が支える」「学生自身で支える」の3つの考え方があるそうです。

 

「社会」は税金を表していて、スウェーデンやフィンランドなど高福祉国家では私立大学も含め授業料は無償。税金は重くなりますが、教育は国家で支えるという発想です。「家族」は日本や韓国、台湾などで顕著であり、「学生個人」はイギリスやオーストラリア、アメリカなどで中心的な考え方。世界的な傾向としては、国家の財政難や大学進学率の上昇から「個人主義」の傾向が強くなっているようです。

 

海外の教育費事情について、ネット上では「フィンランドは消費税高いけど教育費も定期券代も無償。これだったら勉強に集中できる」「韓国での教育費はすごくかかる。お金が子どもの未来を左右してほしくない」「スウェーデンは幸福度ランキングも上位だけど消費税20%以上ってどうなんだろう」といった声が上げられていました。

 

教育は個人や国に対する長期的な投資。“誰が教育を支えるのか”という原則に立ち返って、みんなで考えていくべき問題かもしれませんね。

 

文/内田裕子

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