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子宮頸がん検診はいつから必要?検査の流れと出血がある場合の注意点

女性の健康

2021.05.31

子宮頸がん検診イメージ

仕事や子育てに忙しい20〜30代女性の発症が増えている子宮頸がん。前回の記事(※)では、子宮頸がんをはじめとするさまざまな病気の予防に効果的なHPVワクチンについて伺いました。

 

一次予防であるワクチン接種に加え、二次予防として重要なのが子宮頸がん検診です。

 

受診の頻度や、病院選びのポイントについて、みんパピ!(みんなで知ろうHPVプロジェクト) 代表を務める産婦人科医の稲葉可奈子先生に伺いました。

20歳を過ぎたら2年に一度の検診を

HPVワクチンは年齢や背景によって受けるべき場合とそうでない場合とがありますが、子宮頸がん検診は成人女性が受診すべきものだと言われています。

 

対象は20歳以上の女性で、2年に1回子宮頸がん検診を受けるよう推奨されています。 子宮頸がん検診は、子宮の入口(=頸部)の細胞を採取して、異常の有無を調べる検査です。定期的な検診で、可能な限り早く異常を発見することが重要です。

 

「以前は検診の推奨年齢が、30歳過ぎからだったのですが、2004年に検診の推奨年齢が『20歳から』に引き下げされました。

 

これには、子宮頸がんが20歳代後半~40歳代に発症しやすいことが関係しています。

落ち込む女性

検診を定期的に受けていれば大抵は、元になる前がん病変の段階で見つかりますし、すでにがんになっていたとしても、早い段階で見つけることができます。

 

近年は、20代30代の子宮頸がんの罹患率が増えてきていますが、現時点での子宮頸がん検診の受診率は、20代で約20%、30代で約40%と、まだまだ低い状況。早期発見のためにも今後も周知していく必要があります」

 

国立がん研究センターのデータによると、子宮頸部のがんの罹患率が20代から増加していることがわかります。さらに、HPVワクチンを接種したら、もうそれで終わりということではありません。

 

ワクチン接種と検診を組み合わせることで、子宮頸がんの約95%を防ぐことができるということが研究結果からもわかっています。

 

「性交渉の経験がない場合は、子宮頸がんにかかる確率は下がりますが、お子さんがいる方でしたら、お母さんは検診、娘さんは予防接種を受けた場合も20歳過ぎたら一緒に検診にいきましょう」

子宮頸がん検診の病院選びと検査の流れ

実際に検診を受けるとしても、婦人科や産婦人科に行き慣れていない方にとってはハードルが高く感じられてしまうもの。たくさんある病院の中から、どのように探せばいいでしょうか?

検診を受ける病院選びのポイント、料金による違いは

「子宮頸がん検診は、世界中で行われているごくごく一般的な検診なので、どこで受けても問題ありません。

 

婦人科や産婦人科に足を運ぶこと自体にハードルを感じるようでも、スタッフや医者がみんな女性であれば安心という方もいらっしゃるかもしれません。事前にホームページを確認してから行くのがよいでしょう」

 

ちなみに、各自治体からの案内だと1,000円前後で受けられることが多い一方、ネットで調べると他のがん検診も合わせて10万円弱かかるものも出てきます。しかし料金によって検査の精度に違いがあるわけではないそうです。

 

自治体の検診は、費用を補助してくれているだけで、検診の内容に変わりはありません。会社で補助をしている場合もあるので、使えるものはできるだけ使って、定期的に検診を受けた方がいいと稲葉先生は言います。

検査自体はほんの1〜2分

「検診と聞くとつい身構えて、丸一日潰れるのでは、と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし実際のところ、検診自体にかかる時間はほんの1〜2分です」

子宮頸がん検診の流れ

提供:みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト

 

病院によっては待ち時間がかかることがありますが、子宮頸がん検診自体はすぐに終わるとても簡単な検査です。受ける場合は、事前に病院に問い合わせるとよいでしょう。

 

「自覚症状がない場合は一日を急ぐ検査ではないので、子宮頸がん検診の精度を考えても、生理中ではない時期に受けるのが望ましいです。

 

もちろん生理中でも検査は可能ですが、出血が検体に混じると再検査になってしまうため、なるべく避けていただく方がいいと思います」

もし子宮頸がん検診で異常が見つかったら

子宮頸がん検診の細胞診で異常が見つかった場合、組織診という精密検査で異形成について調べます。精密検査の結果がわかるのは、だいたい1週間〜2週間ほど。

 

「検診で異形成が見つかった場合は、数か月ごとの通院が必要になるケースが多いですね。 経過を見ていくうちに、半年ごとへと通院頻度が下がることもありますが、しばらくは定期観察が必要です。正常に戻ることもあれば、残念ながら進行してしまう場合も。

 

現段階では、異形成病変を正常に戻す治療やウイルスを体外へ排出する治療はまだ見つかっておらず、経過を見るよりほかないのですが、それでも発見が早いに越したことはありません。

 

通院の負担だけでなく、病気への不安からくる精神的な負担はかなり大きくなってしまうので、HPVワクチン接種を検討している場合は、接種をしてリスクを少なくしておくことが大切です」

不正出血がある場合は迷わず産婦人科医の受診を

子宮頸がん検診は、生理期間中を避けることが望ましいですが、それ以外の不正出血については、その限りではありません。

 

「よく、出血がある時には産婦人科や婦人科に行ってはいけないと思いこんで、『不正出血がずっと続いていても、出血がとまってから受診しよう』と、長らく受診せず様子をみてしまう方がけっこういらっしゃるのですが、それは誤解です。

 

症状がある場合は、自己判断せず、できるだけ早く病院にかかるようにしましょう。産婦人科医の受診を、ハードルが高いと思っている方も多いかもしれませんが、異常を感じたらすぐに相談できる産婦人科のかかりつけ医を決めておくことも、女性の健康を守るうえでとても大切です」

産婦人科を受診する女性

そして、婦人科系の病気の中でも、HPVが引き起こす子宮頸がんは、ワクチンによって予防できる病気です。

 

「産婦人科医としてだけでなく、1人の女性として、子宮頸がんで苦しむ女性を1人でも減らしたい思いでみんパピ!の活動を行っていますが、医療従事者による積極的な情報発信など多くの皆さまのお陰で、少しずついい状況に向かっているのを感じています。

 

とはいえ、まだまだ海外に比べてHPVワクチン接種、子宮頸がん検診ともに一般的な浸透度が低い状況。知らないだけで受けていない人もたくさんいるのが現状です。

 

子宮頸がんはだれもが若くしてかかるかもしれない病気、でも、HPVワクチン接種と子宮頸がん検診の2軸で予防しうる、ということをまずはぜひ知ってもらいたいと思います」

 

PLOFILE 稲葉可奈子(いなばかなこ)

稲葉可奈子先生プロフィール写真

医師・医学博士・産婦人科専門医。みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト 代表 。メディカルフェムテックコンソーシアム 副代表。予防医療普及協会 顧問。NewsPicksプロピッカー。 京都大学医学部卒業、東京大学大学院にて医学博士号を取得、大学病院や市中病院での研修を経て、現在は関東中央病院産婦人科勤務、四児の母 子宮頸がんの予防や性教育など、正確な医学情報の効果的な発信を模索中。

参考/みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト https://minpapi.jp

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