腟内部は洗っちゃダメ!

 

外陰部に対し、膣の内部はその反対で洗わないのが正解です。腟内部には「デーデルライン桿菌」という常在菌が、たくさん住みついています。 この菌は、腸の健康を守る乳酸菌の仲間。膣の健康の要で、高い自浄作用をもっています。そのため膣内のあらゆる汚れは、放っておいても外に出てきます。 「性交の後は洗う」という人もいますが、膣の自浄作用は精液ですら自然排出できるレベル。「気持ち悪いから洗いたい」という場合以外は、そのままで大丈夫です。

 

 最近は、おりものを気にする女性も増えていますが、関口先生によると

「生理中や、おりものが多く出ているときでも、膣のなかを洗う必要はありません。

そもそも、おりものが多く出て下着が汚れるのは、生殖可能な女性の証。

きたないものではないので、洗い流す必要も、パンティライナーを使う必要もありません」

ウォシュレットのビデ機能も、基本的には使わなくていいとのこと。


ただし洗わずに過ごしたときに匂いが強くなったり、垢のような汚れが多く出るようなら、それは膣の病気かもしれません。 洗って対処するのではなく、女性外来や婦人科で診てもらうようにしましょう。

 

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また生理が5日以上だらだら続くというときだけは、陰部洗浄が効果的です。 膣口を軽く広げてシャワーを当てたりビデを使ったりするほか、市販の膣洗浄器

(精製水をノズルから出して洗う、携帯タイプのビデのような製品)も便利。 内部に残った出血をこうして外に出すことで、4〜5日程度で出血が終わるようになります。 「経血は止まっているはずなのに、まだ残ってていやだな」というときは、ぜひ試してみてください。

 


文:川西雅子 イラスト:やのひろこ