ステロイド剤の5つのランク

 

ステロイド剤には「5つのランク」があり、使用においてはこのランクがとても重要です。 ランクは効果の強弱にしたがって、「弱い」から「最も強い」まで分類されており、症状の重症度や場所によって使い分けます。 ちょっと赤みがある、かゆみがあまりないといった軽度の症状であれば、「弱い」や「普通」の薬を選択します。 かゆみがひどく、かきむしったような状態もあり、赤くなっているような場合は、「強い」や「とても強い」の薬を選択します。

 

引用:第一三共ヘルスケア「ひふ研」

 

ただし、体の場所によってステロイド剤の吸収されやすさは異なります。 顔や首といった皮膚が薄い場所は、吸収率が良いので弱めのものを。手や足、お腹や背中などは、症状によっては強めのものを使うと効果的です。

 

正しく使えば頼りになるステロイド剤

 

ステロイドとひと口にいっても、このように細かく分類され、症状や用いる場所によって使い分ける必要があります。

 

症状や部位に合わせて選ぶべきものですので、「手につけたものが余っているし症状が似ているから」といって、顔に使用したるりするのはNG。 あるいは、ママが使用して効果があったからといって、子どもに使用するのも避けてください。 副作用を確認しつつ年齢なども考慮すべきで、子どもには弱めのもので使用期間を短くする、といった注意も必要だからです。

 

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「それなら弱いものを使っておけば安心なのでは?」と思った方もいるかもしれません。 しかしあまりに効果が弱すぎると、症状が長引くだけでさらに悪化する恐れもあります。 慎重になりすぎた結果、治療効果が得られないのでは本末転倒。

 

このように「どれを選んでどう使えばいいか」が分りにくいところに〝怖さ〟があると言えるのかもしれません。 症状に合ったステロイド剤を選んで、適切に使うことこそが大切なのです。