2019.10.31
2019.12.03
iStock.com/Tsuji
気候的には比較的過ごしやすい季節なのに、秋になると体調を崩しやすいと感じている方も多いのではないでしょうか?
近年、秋の始めになると鼻水やくしゃみが出るという方が多く見られます。風邪症状の場合もありますが、長引く場合は「秋の花粉症」の可能性も。
花粉症と言えば「春に発症するもの」というイメージが強いと思いますが、実は秋も発症しやすい季節なのです。今回は「秋の花粉症」について詳しく解説します。
秋の花粉症の原因となる植物
「花粉症」とは、植物の花粉に含まれるアレルゲンを吸い込んだりすることによって、様々なアレルギー症状を引き起こす病気です。
環境庁のデータによれば、日本全国の花粉症有病率は30%。しかも有病率は年々上昇していて、もはや「国民病」と言ってよいほどです。
春に発症する花粉症患者の7割は、スギ花粉によるものとされています。スギ花粉は風に乗って遠くへ飛びやすく、飛散数も多いので花粉症の原因となりやすいのです。
しかしアレルゲンを含む花粉を飛散させるのは、スギだけではりません。
近年ではスギ以外にも、ケヤキ、コナラ、ブナなどの樹木、カヤガモなどのイネ科植物、ブタクサやヨモギなどのキク科植物による花粉症患者も増えています。
新緑のケヤキ
iStock.com/y-studio
花粉症は様々な樹木や植物の花粉によって引き起こされるため、一年を通して発症する可能性も。秋はとくにキク科の植物による花粉症が多くなります。
秋の花粉症の特徴は?
iStock.com/west
花粉症は基本的に、原因となる花粉の種類によらず、同様の症状が現れます。
症状の現れ方や強弱には個人差がありますが、よく見られる症状は以下のようなものです。
●水っぽいサラサラの鼻水
●鼻づまり
●くしゃみ
●目のかゆみ
●目の充血、涙
また、その他にも肌のかゆみ、頭痛、ダルさ、下痢、寝つきが悪くなる、などの症状が見られることも少なくありません。
秋の花粉症が出るタイミングは?
iStock.com/anneleven
ブタクサやヨモギなど、キク科の植物が原因となる秋の花粉症の特徴は、春の「スギ花粉症」のようにどこにいても症状が現れるのではなく、比較的決まった状況で出やすいこと。
キク科植物の花粉は、スギなど樹木の花粉と違い、広範囲に広がるものではありません。これらが多く生える公園や草むらなどに近づいたときに、症状が現れることが多いのです。
長引くなら秋の花粉症を疑ってみる
とはいえキク科の植物は、思いのほかいろいろな場所に自生しているもの。公園などへの外出時を中心に症状がひどくなるときは、秋の花粉症を疑ってください。
また自宅にいても症状があるという方は、自宅周辺にキク科植物が生えている可能性もあるので見回してみてください。
花粉症でよく見られる鼻やのどの症状は、一般的な風邪の症状に似ています。秋にこれらの症状が起こると、風邪と勘違いしてしまう方も少なくなくありません。
しかし、一般的な風邪は通常であれば2~3日で回復へと向かうのことが多いので、症状が長引くときは「秋の花粉症」の可能性が高いです。
iStock.com/Tsuji
文:成田 亜希子