記録がもたらす「カラーバス効果」

 

iStock.com/Milatas

 

ある程度「記録」が溜まってきたら、それを眺めてみてください。 「こんなこと誰でもできる」「些細なことばっかり」という思いがよぎりかけると思いますが、いったん無視。大切なのは内容ではありません。 気づいて欲しいのは、以下の2点です。

●夫は「何もしてくれない」わけではない
●その気になれば夫の良いところをたくさん探せる

 

「記録」の中にいる夫は、あなたにとって「良いことをしてくれた夫」、そしてあなたは「夫の良いところをたくさん見つけられる妻」になっています。 「記録」という行動を経過したことで、なんとなく眺めていただけでは見つけられなかった夫の姿が、そこにあるのです。 そしてこのクセがつくと、次からも夫のいいところが目につきやすくなる…これこそまさに「カラーバス効果」なのです。

筆者が専門とする認知行動療法では「まずなにかを変えてみる」という方法を使います。 この場合、あなたが「記録する」という行動をしてみたことで、意識に変化が起こり悪循環が断ち切られるのです。 無理に「夫の気持ちを汲んで」「夫に感謝しなきゃ」と、姿勢や考え方を変える必要はありません。 ただ「夫がしてくれたことを記録する」だけで、少なくとも「夫が何もしてくれない」という不満からは抜け出せるはずです。

 

 

文:矢島みさえ