<ステップ3>根拠に対して「反証」を考える

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「反証」とは「ある主張に証拠をあげて否定すること」、つまり<ステップ2>の「根拠」に対して、根拠が成立しえない「反対」を考えていきます。 書き留めた「根拠」を読み上げて、「でも…」と反論してみます。「根拠」を否定するような「反対」の事実を、できるだけたくさん考えてください。 例えば「母親なら上手にしつけができて当然だから」という「根拠」に対する反証の例を挙げてみます。

●母親というだけでしつけがうまいわけではない
●しつけが下手な母親もたくさんいる
●そもそもしつけの問題ではなくイヤイヤ期だから

ここは、なかなか難しい作業かもしれません。なぜなら簡単に「反証」が作れる人なら、そもそも悩んでいないからです。 しかし根気強く、何度も自分に問いを投げかけてください。導き出した答えはきっとストレス回避の道として、今後の助けになるはずです。 ひとりで考えるのが難しければ、他の人に聞いてみる

のもひとつ。最終的には自分が「これだ」と思うものを、見つけてもらえたらと思います。

 

実はこの「認知再構成法」は、<ステップ1>「自動思考」に気づくことができるようになると、治療の半分は終了と言われています。 それくらい「自分が何を考えているか」はキャッチしにくいものなのです。ですから、すぐにうまくできなくても大丈夫です。 また「完全にやる」ことが目標ではありません。ストレス回避の方法のひとつとして、自分のペースで進めてみてください。

 

 

文:矢島みさえ