「コントローラー」の暗示テクニック

 

人は、相反するふたつのメッセージを同時に入れると、脳が混乱して思考が停止するようにできています。 この「相反するメッセージ」を心理学では「ダブルバインド」と呼びます。これこそがコントローラーの使う「暗示」のテクニック。

 

たとえば「あなたを頼りにしている」と言ったかと思えば、「あなたは抜けているから気をつけて」と、会話の中に「OK」と「NG」の相反するメッセージを入れられたとします。 すると「がんばろう」と思う一方で、「でも、私は抜けているから」と、自分の行動や判断に自信が持てなくなります。

 

すると多くの人は「NG」の部分を修復する努力をするでしょう。「そこさえ補えば頼りにしてもらえる」と思いながら…。 この時点でもう、判断基準は「コントローラー」のものになっているのがわかるでしょうか。こうなれば「洗脳」による支配の完成です。

 

コントロールされた人の特徴

 

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コントローラーに「支配」されている人の特徴をあげてみます。

 

●いつもコントローラーの顔色をうかがっている
●行動を決めるときは「コントローラーにとってどうか」と考えてしまう
●コントローラーに嫌われたら〝ここにはいられない〟ような感覚がある
●コントローラーの前だとうまく実力を発揮できない
●コントローラーがそこにいなくても、頭の中に言葉が浮かぶ
●コントローラーの言うことが正しく、自分は間違っているという感覚がある

 

いくつか当てはまることがあり、そして「コントローラー」に該当する人の顔が浮かぶあなたは、すでに「支配」されている状態かもしれません。