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仕事や育児で忙しくても「基礎体力の低下は簡単に防げる」その驚くべき理由

女性の健康

2021.07.28

体操をしている女性

コロナ禍に急増した「運動不足」がさらなる運動不足を招く負のループ…。さらに在宅時間が増えたことで13食ばかりか、間食までが増えてしまい体重増加の原因に。このゆゆしき事態を解消するための方法はあるのでしょうか?

 

パーソナルトレーナーをする傍ら、企業での健康プログラム作成、各専門学校での講義など、教育研修でも活躍中の清水忍さんにお話を伺いました。

 運動しようと思うな!まずは普段の動きを見直すことが先決

── ウォーキングをひたすら頑張るよりラジオ体操を1日1回行うほうが、体全体を動かせるからおすすめだと伺いました。運動する上で気をつけるべきことも教えていただけますか?

 

清水さん:

ウォーキングだけでは体の可動域が狭いので、ラジオ体操とセットで行うことがおすすめなのですが、もっと効率よく体を動かしたいのであれば、球技を使った遊びをすることです。

 

── 球技というと、野球とかバレーボールとかのことでしょうか?

 

清水さん:

そうです。例えば、友人とふたりでバレーボールを始めたら、2、3分では終わらず15分くらいは軽く続けられますよね。

 

ボールでラリーを続ける際の腕の動きや、ボールを拾うのに立ったり座ったりする動作。これらが基礎体力に関わる持久力・筋力・バランス・柔軟性、敏捷性をバランスよく鍛えるのにちょういいんです。

 

ウォーキングだと直線の動きしかしませんが、ボールを使う運動はボールを追いかけるのに斜めの動きも加わり、可動域も広がります。育児中のママであれば、子どもと一緒にボール遊びをするのもいいですね。

 

── 家族みんなで健康意識を高めることに繋がりますね。ちなみに清水さんご自身はコロナ禍にどのような運動をしていたのでしょうか。

 

清水さん:

私自身は運動と呼べるような特別なことはしていません。ただ、毎日インストラクターとして稼働していると、その動きがおのずと運動になっているんです。

 

── インストラクターって活動量が多いんですね!一日どのようなスケジュールで稼働しているのですか?

 

清水さん:

8時〜深夜23時までインストラクターとして生徒さんのサポートをしています。一日中立ったり座ったり走り回ったり、ダンベルやバーベルなどを運んだりしていると、仕事をしているだけで体には運動するのと同等の負荷がかかるんです。

 

ただもし、私がこの仕事をしていなかったとしたら、普段の生活レベルを上げて過ごすように意識していたと思います。

 

── 生活レベルを上げるというと、具体的にはどのようなことでしょうか?

 

清水さん:

例えば、歩くときは歩幅を広くして、1.5から2倍の速度で歩いたり、階段は一段飛ばして上るようにするなど、普段やっている動きのハードルを少しだけ上げて生活するということです。

 

── それなら、わざわざ運動する時間を確保しなくても“ながら運動”ができそうです。

 

清水さん:

特別にトレーニングする必要はありません。日常生活の中で積極的に体を動かすことを意識するだけでいいんです。

 

部屋の掃除をするのに机や椅子を動かす、子どもを抱っこもいい運動になります。「重たいから持たない」ではなく、常にチャレンジ精神を持つことが大事ですね。

 

むしろ「家で毎日腕立てをしなさい、スクワットをしなさい」と言われても、普段からやっていない人が急にできるわけがありません。それができるのは運動意欲が高い人だけです。そんな人は運動不足で悩んだりしないでしょう。 

子育てママが子どもと一緒にできるエクササイズがある!?

── 読者の中には子育て中のママもいます。子どもと一緒にできるエクササイズは何かありますか?

 

清水さん:

家事や育児をこなすだけでも充分な運動になりますが、もしまだ余力があるのであれば、子どもたちと一緒に動き回ってください。

 

── てっきり、子どもをおんぶしてスクワット!などを想像していましたが(笑)、遊ぶだけでいいんですか?

 

清水さん:

子どもたちを観察しているとわかると思いますが、飽きずにずっと走り回っていますよね。一緒になって走っていれば、運動量はかなり上がります。

 

それと、子どもと会話をするときは腰を落として子どもの目線に合わせて会話するようにしましょう。この動作を繰り返すことも運動に繋がります。つい、しゃがむのがめんどうで立ったままの姿勢で会話をしているだけではもったいないですよ。

 

コロナによって通勤の機会も減ったことですから、体力も温存できているはず。せっかくですから、子どもと一緒に体を動かしてみてください。

おうち時間がもたらした食への自由度が肥満に直結!

── 在宅勤務が増えて「朝・昼・晩きっちり食べられるようになり、好きな時間におやつも食べる習慣がついて太ってしまった!」という声も聞こえてきます。

 

清水さん:

簡単な解決策は「おなかいっぱいになったらもう食べないこと」です。

完食をする女性

── 根本的なことなんですね。「食」にかける時間の自由度が増したことで、以前よりも食べる量がなんとなく増えてしまった人も多そうです。

 

清水さん:

自宅で仕事をしていると、食べるものがすぐそばにあるから、つい手に取ってしまう…という悪い習慣が生まれがちです。でも、人間は本来、満腹になったら体から信号が出るはずなんです。その信号に反応できるかできないかが分かれ道かもしれません。

 

── 信号というと「もうこれ以上食べるな!」というシグナルですか?

 

清水さん:

そういうことです。おなかいっぱいで苦しい!と思ったらそれ以上食べないこと。「デザートは別腹!」という概念は捨てることです。

 

── なぜかデザートは食べられちゃうんですよね…(笑)。でも、思い返してみると確かに「おなかいっぱい」という信号は出ているかも。それをきっちり守るということですね。

 

清水さん:

そうです。私自身、食事制限はしておらず、チョコレートを一気に食べてしまうことも。でも、満腹シグナルを受け取ったらすぐに食べるのをやめます。食べすぎると気持ち悪くなりますし、それが「これ以上食べてはいけない」というシグナルです。

 

太るのはたいてい、このシグナルを無視して食べ続けるから。そのセンサーが正しく働くように無茶な食生活をしなければ、食べたいだけ食べても太らないと思います。

 

── 運動で痩せるのではなく、まずは食から気をつけるべきなんですね。

 

清水さん:

むしろ運動で痩せようと思わないほうがいいです。

 

がっかりするかもしれませんが、30分ウォーキングしても消費できるカロリーは200kcalもありません。実際、毎日ウォーキングをしているのに痩せない…という人も多いんです。

 

運動は活動的な習慣づくりを鍛えるものであり、“不活動な自分”から脱却するためのもの。痩せたいのであれば、まずは満腹なのに食べるクセをやめることです。それがスマートな自分に近づくためのポイントですね。

 

 

つい「コロナのせい」にしてしまいがちですが、コロナ禍での運動不足は自分の怠けた部分が露わになっただけ…なのかもしれません。この機会に日常生活を見直し、活動するクセを身につけたいものです。

 

Profile 清水 忍さん

清水忍さんプロフィール画像

パーソナルトレーニングジム「INSTRUCTIONS」代表。パーソナルトレーナーとしてプロ野球選手や力士などのトレーニング指導を行う一方、健康保険組合での研修や企業での健康プログラム作成、各専門学校での講義など、主に教育研修を軸として活動。雑誌「Tarzan」やテレビなどの出演も多数。

 

基礎体力特集 バナー画像

取材・文/望月琴海 ※プロフィール以外の画像はイメージです。

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