『夫のちんぽが入らない』主演の中村蒼さんと考えた「世の中の普通って何だ」

“普通”にとらわれすぎず、自分の思いに正直に

 

台本を読んで、まず“普通ってなんだろう、自分が普通だと思う感覚は自分にしか当てはまらないな、と思った”とおっしゃっていますよね。

 

中村蒼さん:

「入らない」ということをはじめとして、“世の中の普通”にしばられ、苦しめられた二人。だからといって誰かに相談することもできず、なかなか前に進めないんですけど、遠回りした分、二人だけしか感じ得ない幸せを見つけるんですよね。遠回りしたからこそ見える景色があるんだなと。

僕も思ったことを口にしたりするのがニガテなタイプなんですけど、そして、割と流されやすいタイプの人間だったりするんですけど、それでも周りがどうであれ、自分の思うことに正直に行動するべきなのかな、って。

内容は違えど、誰もがみんな悩みを持っていると思います。かといって、悩みを解決するために、みんなと同じように馴染まないといけないとか、こうしないといけないとかはないんだよ、ということを教えてくれるドラマだと思います。

 

通りを歩く中村蒼

 

ドラマで研一を演じていて、一番印象的だったシーンは?

 

中村蒼さん:

えーっと、そうですね。学生時代に二人が出会ってからの10年を描いているんで、いろいろなポイントでそれぞれ思い入れはあるんですが。

研一さんが「久美ちゃんが他の人は“入る”」っていうのを知ってしまいケンカになり、お互いが家出して、学生時代に一緒に住んでたアパートで偶然に出会うシーンがあるんです。

そこで、二人が素直にいろいろ話すんですけど。初めて会ったとき研一さんが久美ちゃんに声をかけたのはこういう気持ちだった、とか、これからは二人でこうしていこうね、とか。そのシーンが、なんだかすごく印象的でしたね。

出会ったアパートで、成長した2人が原点に戻りつつ未来を一緒に語って、次に進む。初心に帰るって、やっぱり大事なんだなと。

 

腰掛けて座る中村蒼さん

 

原作にはそのシーンはなかったですね

 

中村蒼さん:

そうですね。ドラマには、原作になかった研一さん側の目線で進む1話もあるんです。原作者も知らない、研一さんの話。全10話ある中の1話だけが、研一さんはもしかしたらこういうことを思ってたかも……というドラマ仕立てになっているんです。それは楽しみにしてもらいたいですね!

 

Interview-nakamura201904-6

 

最後に、読者へのメッセージをお願いします!

 

中村蒼さん:

まず僕の場合でいうと、俳優という仕事はみんなで作っているとはいえど、上司と部下の関係もなく、割と意見を言い合うのがよしとされているというか。“普通”とは少し違っていても、それがよしとされている世界だったりします。

とはいえ、当然悩むこともあります。僕は悩みがあると自分のなかで解決することが多くて、ストレスを発散するのがあんまりうまくできないタイプで。でも、自分の人生だし、“世の中の普通”にとらわれすぎず、自分を信じて進めばいいのかなと思います。

 

みなさんも、仕事や人間関係などいろいろ悩みがあると思うんです。世間体があったり他人からいろいろ言われたり。もちろん、そういうのを聞いて「もっとこうしたほうがいい」と思ったり自分には見えていなかった道が見えたりすることはあります。でも、最後はやっぱり“自分の思うこと”こそが、大事だと思うんですよね。

自分のことを信じてあげて、自分の味方で最後まであり続けていればいいのかな、と。そこさえブレなければ、“世の中の普通”にとらわれすぎず、悩みを乗り越えられるのかも、と。

自分自身に対しても、そう思います。

 

Interview-nakamura201904-7

 

 

始めはタイトルに衝撃を受け、物語の世界に引き込まれます。物語の舞台は、夫婦の何気無い日常。それを通じて、人生で問題にぶつかったらどう考えていくか、の根本的なことを考えさせられる。そんな、心にしみる作品です。今回配信されるドラマ版では、原作とは違う目線も挟みつつ、描かれているそう。中村蒼さん演じる“研一”と石橋菜津美さん演じる“久美子”の夫婦のやりとりも、楽しみに見させていただきます!

 

PROFILE 中村蒼

中村蒼プロフィール写真

福岡県福岡市出身。2006年、寺山修司原作による舞台「田園に死す」で主演デビュー。その後、ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍。2019年3月20日FOD・Netflixにて配信『夫のちんぽが入らない』主演、3月23日NHK総合にて放送『詐欺の子』主演、3月NHK総合にて放送『浮世の画家』など出演など、この春は多くのドラマに出演。7月末からは舞台『お気に召すまま』もスタート。

 

取材・文/松崎愛香 撮影/田尻陽子

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松崎愛香

フリーライター。小学生女子と保育園男子の2児の母。「読んでハッピーに」そんな記事を各ジャンルで執筆。