■身近な人が亡くなったときには、まずは確認

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有料サイトの利用料は、1回あたりであれば、それほど高いものではありません。しかしそれを積み重ねていくことで、数万円から数十万円という非常に重い出費になってしまう可能性もあります。 こうしたトラブルを避けるためには、まず「身近な人が亡くなった際に、必要な情報を集める」ということが大切です。 もし生前、「こんなサイトを利用している」という会話をしたことがあるなら、心当たりを探してみましょう。サイト側に連絡をとって適切に処理してもらうことで、利用を終了させることができます。 また、クレジットカードや口座引き落としの詳細をチェックし、用途不明のお金が発生していないか、確かめるのも良いでしょう。利用サービスがわかれば、適切な対応をすることができます。 どうしてもわからない……という場合においては、故人の銀行口座を凍結するのが、もっとも手っ取り早い方法となります。とはいえ、有料サイト側としては、口座凍結により、突然利用料が引き落としできない状態に陥ります。 利用料が支払われなければ、そのまま契約が終了するケースがほとんどですが、中には「突然の利用停止による未払い料金の請求」について、利用規約で定めている企業も存在しています。数か月後に突然会社側から連絡を受けるようなケースもありますから、できるだけ情報を集めておきましょう。

 

■トラブルを未然に防ぐためのポイント

人間は誰でも、いつかは死を迎えるもの。そして有料サービスの利用も、非常に身近なものとなっています。だからこそ、「自身や家族の死後」を見据えて、適切な準備を整えておく必要があります。 身近な人が亡くなったあと、有料サービスの利用で財産の流出を防ぐためには、速やかな解約が必要となります。そしてそれができるのは、残された遺族ということになります。 どんなサービスを利用しているのか、情報を共有できる体制を整えておきましょう。またこうした取引を、「家族にも内緒の自身の口座」を使って行っている方は、特に注意が必要です。 口座にある程度のお金を入れ、家族も知らない状態で亡くなってしまうようなことがあれば、口座のお金がつきるまで、利用料金の支払いが続くことになってしまいます。 生きている間は「秘密」のままでも構いませんが、死後の手続きのためには、「遺族に伝えるべきこと」のリストに加えておきましょう。遺言状とセットで、情報を残しておくのもオススメです。夫婦の間で、「これから先の終活の常識」として、適切な準備を整えておけると良いですね。

 

■まとめ

有料サイトは、スマートフォンやパソコンを使って、自分にとって必要な情報を手に入れられる非常に便利なサービスです。しかしその一方で、利用者が亡くなった後には、遺族にトラブルをもたらしてしまう可能性もあります。まずは情報を共有し、困ることがないよう、準備するところからスタートしましょう。 また「契約はしているものの、もうあまり使っていないな」と思うサービスがあれば、自分の手で、責任を持って解約しておくことも大切なポイントです。デジタル遺品のトラブルが増加している今、自分と家族で、しっかりと話し合っておきたいですね。