■自己所有物件なら、自治体に相談してみよう

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現在住んでいるのが、賃貸物件ではなく自己所有物件の場合、住み替えが容易ではないケースも多いはずです。マンションや一戸建てを購入するために、多額のローンを組んでいる方もいるでしょう。また近隣にゴミ屋敷があるような状況では、「売りたくても買ってくれる人がいない!」という事情もあります。 リスクはあっても、「そこに住み続けるしか方法がない」という場合には、自治体に相談することをオススメします。 残念ながら、国が定める法律の中に、ゴミ屋敷を取り締まるものは存在していません。しかしゴミ屋敷の存在によって、周辺住民にとって「生活しやすい環境」が奪われているのも事実です。このような状況に対応するため、自治体が独自の条例を用いて、ゴミ屋敷に対応するケースも増えてきています。 もちろん自治体も、ゴミ屋敷の中の「私物」に勝手に手をつけることはできませんが、道路や歩道にはみ出した部分については、強制的に撤去できる仕組みを整えているところもあります。自治体の担当者を通して注意してもらうことで、抑止力を期待できる可能性もあるでしょう。 自治体に状況を訴えかけるときには、「一人だけ」ではなく、近隣住民と協力して行うことで、声が届きやすくなります。同じように、近隣地域で困っている人がいれば、一緒に働きかけてみるのもオススメです。また近隣の自治会の会合などで、話し合いの題目として挙げてみることで、さらに多方面からのサポートが期待できる可能性もあります。

 

■まとめ

近年増加しているゴミ屋敷トラブルは、解決までの道のりが非常に厳しいトラブルでもあります。周辺住民の方からすると「完全にゴミ」であっても、住人が「自分自身の財産である」と主張するケースは、決して少なくありません。周囲に対して迷惑をかける状況であっても、それを勝手に処分するということは、ほぼ不可能になってしまっています。 とはいえゴミ屋敷からの悪臭や害虫によるトラブルは、子どもの成長に悪影響を及ぼしてしまう可能性も。もし「安心して生活できる環境を、できるだけ早く手に入れたい」と思うのであれば、「引越しを検討する」のがベストだと言えるでしょう。 さまざまな事情により、今の土地から引っ越すことが不可能な場合には、地域の人々や自治体と連携し、根気強く問題と向き合っていく必要があります。自分たち家族にとっては、どの方法をとるのがベストなのか、じっくり検討してみてくださいね。