2019.05.06
最近テレビでもよく特集される、「ゴミ屋敷」。
家から溢れるほどのゴミに囲まれて生活している人たちって、どんな気持ちで生活しているんだろう…とついついテレビに見入ってしまいますよね。
しかし、彼らを気楽に見ることができるのは、身近にそんな人がいないからとも言えます。
もし身近な家族、義実家がそんな状態だったら、どうでしょう。
あなたなら、どうしますか?
今回は、義実家がゴミ屋敷だった場合の、「嫁」としての対処方法をまとめてみました。
1.夫の実家がゴミ屋敷!「片付けられない」は遺伝するの?
夫の実家がゴミ屋敷だったとして、片付けられないという性質は夫に遺伝するのでしょうか?
答えはほぼNOです。
なぜ「ほぼ」なのか、それは片付けられない原因が強迫性疾患の場合、その傾向は親から子へ遺伝することがあるからです。
ここで、片付けられない病、について説明します。
家がゴミ屋敷になるほど片付けられない人には、実は病気が隠されていることが多いのです。
そのうちの1つが、「強迫性貯蔵症(ホーディング)」です。
強迫性疾患の一種であるこの病気は、脳や神経系になんらかの異常が起こることで発症するらしく、原因は不明です。
1つのものを集めすぎるくらい集める、そして捨てること、ゴミがたまることの両方に強い不安を感じるというのが主な症状です。
もし、義両親のどちらかにこの症状が当てはまるようなら、夫にも遺伝している可能性はゼロではありません。
ただ、その確率は発症していない両親の子どもと比べると、2倍の確率で遺伝する、という程度に過ぎません。
遺伝していても、必ず発症するわけではありませんので、あまり心配する必要はないと思います。
心配するべきは、夫が生まれた頃からゴミ屋敷で育ってきたなら、あなたが「おかしい」と思うことも、「普通」だと捉えてしまっているかもしれないという点です。
たとえ台所に害虫が走り回っていたとしても、
お風呂場がカビだらけで、普通ならとても入る気がしない状態だったとしても、
歩く場所すら探すのが大変な状態だったとしても、
それが夫にとっては「普通」のこと。
そういう意味では、遺伝というより「習慣」として、片付けなくても平気ということを受け継いでいる確率は高いでしょう。
実家で暮らし、結婚により別居して初めて、自分の家が「普通じゃなかった」ことに気づく夫は多いと聞きます。
もし結婚当初から完全同居なら、今後も気づくことはないでしょう。
2.ゴミ屋敷の原因を知っておこう。
先ほど、片付けられない病である「強迫性貯蔵症」について触れましたが、他にも片付けられない原因となる病気はいくつかあります。
義両親にその症状が当てはまっていないかをチェックしてみて下さい。
<強迫性貯蔵症以外に考えられる疾患>
①認知症
同じものを何度も買ったり、ゴミをゴミとして認識できなくなったり、ゴミの日を忘れてしまい、いつまでも捨てられない、などの症状があります。
昔は綺麗好きだったのに、ということなら可能性は高いです。
②セルフネグレクト
「孤独死」の原因としてよく挙げられる疾患です。
食事や入浴、掃除など、生活全般にわたり無気力、投げやりになってしまい、周囲の助けも拒むようになるという症状があります。
うつ病や認知症によって引き起こされることもあります。
③うつ病
②と同様、生活意欲の低下、心が沈んでしまい、動けなくなる、などの症状があります。
④ADHD(注意欠陥・多動性障害)
忘れ物が多く、行動が衝動的で、身だしなみや身の回りのことには無関心であり、当然掃除もしようとはしません。
⑤統合失調症
幻覚や幻聴、妄想などの症状があります。生活に関しては、お風呂に入ろうとしない、着替えもしないなどの症状があります。
もし、義両親のどちらかがこれらの症状に当てはまっているなら、あなたにできることは、適切な病院を探して治療を受けてもらうことくらいです。
本人へ片付けるように説得しても意味がありません。
不要な敵意を買うだけですので、夫に協力してもらって、病院へ連れていってもらいましょう。
3.病気ではない場合の対応方法
もし、義両親が2.で説明したような病気とは考えにくい場合は、性格(性質)として、義両親はモノをためる癖、ふやす癖があるものだと思って、片付けることを提案してみましょう。
その際の注意点としては、
①頭ごなしに「捨てる」とは言わない。
あなたにとってはゴミでも、義両親にとっては、捨てられない理由があって、捨てていないので、頭ごなしに「いらないから捨てる」と言われてしまうと、傷つきますし、「捨てない」と意地になってしまいます。
あくまで片付けのお手伝いであって、義両親の意志を尊重します、という態度で接しましょう。
②ゴミ屋敷であることの危険性を訴える。
もし、義両親が片付けに無関心なら、ゴミ屋敷をこのまま放置していたら、どのような危険性があるか、息子である夫にどんな迷惑がかかるかを、しっかり説明しましょう。
最も危ないのは「火災」。
発火物がいたるところにある状態は、いつでも着火OKの薪の中で暮らしているようなもの。
タバコの火の不始末、虫やネズミが配線をかじったりすることによる漏電など、いったん火が付けばあっという間に燃え上がります。
また「衛生上」の問題。
今まで健康でいられたのは奇跡的だということを分かってもらいましょう。
カビによる肺炎、皮膚疾患などに高確率でかかります。
建物の「劣化」も心配です。
アパートの上の階の住人が本をため込みすぎ、床が抜けて階下の住人が死亡する事故なども起きています。
モノをため込むということは、家に余計な負荷をかけ、劣化を早めていることを分かってもらいましょう。
もちろん、説得するのは息子である夫に任せる方が賢明です。
あなたは片付けの協力者、という立ち位置でいるといいでしょう。
もし、それでも無関心・非協力的なら、業者にお願いして義両親にお伺いしつつ、一緒に片付けてもらいましょう。
プロの説得なら耳を傾けてくれるかも知れません。
<まとめ>
今回は、義実家がゴミ屋敷だった場合、その性質は夫に遺伝するか、ゴミ屋敷を片付けるためにすべきこと、義両親へ片付けることを説得する方法についてまとめてみました。
夫と協力して、義実家のゴミ屋敷問題が解決できることを祈っています。