◆片づけらない理由

次に、片づけたいと思っているのに片付けられない理由について考えてみることにしましょう。今回は、原因と結果を考える方法として「原因論」ではなく、「目的論」で考えてみることにします。 目的論とは、「そうすることが自分のためになる」と考えて、それに沿った行動を取ることになります。 つまり、「寂しさを埋めるために物を所有する」という目的が無意識の中にある場合、「物が多いほうが自分のためになるので、片づかない状態のほうが自分にとって都合が良い」と思ってしまって片づけるという行動を取らないことになってしまっていると考えられます。 これは、自分が何の目的のために物をあふれさせてしまっているのか、その目的を知ることが大切となります。 片づけに限らず何かを行うことができない理由として「時間がない」ことがよく挙げられますが、目的論で見てみると、時間がないことを理由にしておけば何かを行うことができない責任を時間にすり替えることができて、自分にとって都合が良いということになります。自分の心の状態を客観的に知るのに目的論はとても便利な方法と言えそうです。

◆プラスになるかどうか確認する

片づけを行うときに、「使っている」か「使っていない」、あるいは「気に入っている」か「気に入っていないか」といった行動や気持ちを判断基準にするのはやめましょう。そうしてしまうと「使っていないけれども捨てることができない」ものを判断することが困難になってしまいます。 また、人は損をなるべく避けようと思ったり、自分が持っているものを捨ててしまうことに強く抵抗感を感じてしまう傾向にあると言われています。 そのため、それを持つことが「プラス」になるか、「マイナス」になるかで判断するようにすることが大切です。 プラスになるものというのは、それを所有することで便利になったり、癒されたり、幸せを感じたりすることなどができるものになります。 そして、片づけることでどんな部屋にしたいかを考えながら、所有するものと処分するものを分けていきます。 また、判断基準のひとつとして、それを所有することが家族にとってプラスになるかどうかというのも加えておくのも良いでしょう。 「いつか使うかもしれない物」を処分してしまった後に使う必要性が出てきてしまう可能性は約5%と言われていますので、いつくるかわらない「いつか」に備えるよりも「今現在」を優先させるほうがプラスで前向きと言えます。 部屋の状態と心の関係について見ながら、「目的論」に基づいた片づけを行う方法についてもご紹介してきましたが、視点を変えてみると片付けを行いやすくなるのではないでしょうか?ぜひ片づけを行うときの参考にしてみてください。