[アンケート4 職場の上司について]
職場の上司に対して、時代遅れだと思う言動や価値観は?(※複数回答)
1位 男尊女卑 11票
2位 職場での態度 6票
3位 出産・育児への理解がない 5票
お茶汲みや掃除などは未だ女性の仕事?
ママたちを悩ます男女の壁
職場の上司に対して時代遅れだと思う言動を聞いたところ、1位は「男尊女卑」(11票)に。 「お茶汲みや掃除は女性の仕事」「女性には替えのきく仕事だけさせる」など平成というよりも昭和の会社なのと思わざるを得ない内容が含まれていて、「女性である」ということがまだキャリアアップの障害になっていることがうかがえます。
ママの中には、そんな会社を「まだ専業主婦家庭が多く、家は妻が守るもの、共働き家庭であっても、子どもの行事参加や突発休は妻が対応するものという考えが根深くあります。家庭内でも育児分担で言い合いになる元ですし、なにより企業が社会から遅れる、優秀な社員が集まらず立ち行かなくなるのではないかと不安があります」と冷静に見ている人も。
2位の「職場での態度」(6票)には、「年上を敬うよう強要」「怒鳴るのがいいと思っている」など仕事観や態度が古いとママたちの非難の声が集まりました。
そして、「保活への理解がない」「育休を取ることに否定的」など「出産・育児への理解がない」という上司たちが3位に。「価値観というか、現代の保育事情を把握していない上司に、朝夕の出退勤の時間の厳しさを伝えるのに苦労します」などママや子どもの状況を理解していない、ひいては理解しようとしない上司に苦労しているママの姿がうかがえます。これからは今の子育て世代が上司になっていく時代になります。下の世代のためにも改善されるよう努めていきたいですよね。
[アンケート5 未来に残したい価値観について]
子育て・仕事・家族関係などで、次の時代にも引き継ぎたい新しい価値観や習慣は?(※複数回答)
1位 リモートワーク・フレックス勤務などの働き方 6票
2位 性別の差がなくなってきている 5票
3位 家事シェア&育児は夫婦で行う 4票
男だから、女だから…はもう古い!
性別よりも個人を尊重する社会へ
最後に、平成以後も引き継いでいきたいと思う価値観や習慣についても聞きました。
1位は、働き方の概念を壊した「リモートワーク・フレックス勤務」(6票)。時間や場所に縛られないため、育児中でも助かったというママの声が集まりました。 「在宅勤務制度が会社で新しく制度化されて、その第一号として働いてます。子育てしながらの勤務は思うようにいかず大変ではありますが、子どもとの時間を多く取れて、かつ働いてお給料も頂けて、本当に助かってます。他の社員のためにも、私が成功例になって次の世代にもつなげていきたいです」、「フレックスや在宅勤務。平日に予防接種に行きたい場合も、両者があればスムーズに事が進む。通勤時間はもったいない」というコメントがありました。 今後、こうした働き方の選択肢が増えれば負担も減り、働くママたちの数も増えていくはず。子連れ出勤を政府が後押しするニュースなども出ており、それ自体の賛否は分かれておりますが、今後もますます制度の充実が加速するのではないでしょうか。
2位「性別の差がなくなってきている」(5票)は、性別による差ではなく個人のよさを尊重する考え方が浸透してきているということ。 「幼稚園や小学校のみ体操服が男女同じものになったのはいいと思う」、「男だから、女だからという性別による価値観に左右されなくなってきているところ。LGBTという言葉も一般用語として認識されてきて、各々の価値観を大切にしていく文化が続いて行って欲しいと思う」というママの意見がありました。 今までの問いに対する回答を見ても、「育児・家事はママがするもの」「長男を重視する」「男尊女卑」など「男性だから・女性だからという決めつけが古い」という意見が多かったですよね。そうした決めつけでママたちだからこそ、次の時代にはその差がなくなることに期待していると考えられます。
次いで「家事シェア」「育児は夫婦で行う」が同票で3位に。アンケート1、アンケート3で、「ママだから、家事も育児もしなければならない」という概念で苦しむママの姿が浮き彫りになりましたが、それを反映した結果だと言えそうです。
今回の調査で、ママたちは家庭でも職場でも「女だから」「ママだから」という価値観に苦しめられてきたことがわかりました。しかし、社会の流れを見てもそうした分類は時代遅れになりつつあり、今がまさに価値観の転換期とも言えると思います。古い価値観に縛られて生きにくいと思うこともいろいろあると思いますが、「私たちが時代遅れの価値観を塗り替えていくんだ!」という希望を持って、新しい時代を迎えたいですね。
取材・文/阿部祐子