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問題!車両の1両あたりの長さは鉄道によってどれぐらい違うの?

ライフスタイル

2019.03.06

今回は車両の長さに関するお話をします。車両の長さはどこも同じように見えますが、実は会社によって異なります。それでは少しディープな長さにまつわるお話をしていきましょう。

 

<ひとつ前の鉄道記事を読む>  日本で一番、列車本数が少ない線路はどこにある!?

 

そもそも、鉄道会社によって車両の長さは違うの? 

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鉄道に興味を持ったお子さんでも多くは、日本で走っている鉄道の車両は長さがすべて同じだと考えているかもしれません。でも、先に結論を書くと鉄道会社によって1両あたりの車両の長さは異なります。と言っても、極端に長さが異なるわけではありません。例外を除けば、差異は数メートル。外見上は「少し違うかな」という程度です。しかし、この「少しの違い」が鉄道会社にとってはとても大切なこと。意外とディープなお話です。

 

JRは在来線が20m、新幹線は25m

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JRは北海道から九州まで基本的に1両あたりの車両の長さは同じです。在来線は約20m、新幹線(ミニ新幹線は除く)は約25mです。16両編成の新幹線ですと、単純計算で長さは約400mに。東京タワーの高さは333mですから、16両編成の新幹線は東京タワーよりも高い計算になります。

余談ですが、旧国鉄時代はザックリと「20m3扉の車両」はセミクロスシートの近郊型、「20m4扉の車両」はロングシートが並ぶ通勤型と区分されていました。

JR発足当初はそのような法則が通用していましたが、現在は例外がたくさんあります。たとえば「20m4扉の車両」では近郊型のE217系、「20m3扉の車両」で通勤型の323系が挙げられます。このように、車両の長さは変わらなくても、スタイルは時代によって変化します。

 

京浜急行電鉄の車両が意外と短い?

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東京と横浜、三浦半島を結ぶ京浜急行電鉄。朝ラッシュ時間帯において、大手私鉄では最も長い12両編成が走っています。京急の1両あたりの長さはJRよりも短く、18mです。18m車両を導入している大手私鉄・地下鉄は意外と多く、関東圏においては以下の鉄道会社が導入をしています。

 

東京メトロ丸ノ内線、日比谷線

都営地下鉄浅草線

東京急行電鉄(池上線、多摩川線)

京成電鉄(特急専用車両は除く)

東武鉄道(東京メトロ日比谷線への直通列車のみ)

新京成電鉄

北総鉄道

芝山鉄道

横浜市営地下鉄ブルーライン

 

いかがでしょうか。あることに気づいた方は相当の鉄道ファンです!実は京急と相互直通運転を実施している路線、つまり都営浅草線、京成電鉄、北総鉄道、芝山鉄道の車両はすべて18m車です。鉄道会社で車両の長さがバラバラだったら、乗客はホームでの乗車位置を変えないといけないため、とても大変。そのため、相互直通運転を実施している鉄道会社間で車両の長さを統一するのが一般的です。しかし、中には例外も存在します。

 

19m車の阪神と21m車の近鉄との相互直通運転 

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例外が神戸三宮駅~近鉄奈良駅間で行われている阪神と近鉄との相互直通運転です。近鉄と阪神では1両あたりの車両の長さが異なります。近鉄の車両は21m車に対し、阪神は関西私鉄ではよく見られる19m車です。そのため、近鉄、阪神の車両が乗り入れる阪神本線、阪神なんば線、近鉄奈良線のホームには近鉄車両の乗車位置、阪神車両の乗車位置を示すステッカーがあります。乗客はホーム上の放送を聞いた上で、列車ごとに立ち位置を変えます。

当然、1両あたりの長さが変われば、全体の編成も変わるためいろいろな工夫が必要です。朝ラッシュ時間帯、近鉄奈良線では近鉄車両、阪神車両ともに10両編成の列車が走ります。一方、基本的に阪神本線の駅は10両編成に対応していません。そのため、阪神本線と阪神なんば線の接続駅である尼崎駅で車両の連結、切り離しが行われます。そのため、阪神線内では10両編成の列車は見られません。最長でも6両編成です。

趣味的にはおもしろいですが、現場は大変でしょうね。たかが、車両の長さ、されど車両の長さといった感じです。

 

ミニ地下鉄、江ノ島電鉄は車両が短い 


最後に短い車両も確認しておきましょう。まず、経費を抑えた「ミニ地下鉄」が挙げられます。たとえば、都営地下鉄大江戸線の車両は16.5m車、Osaka Metro(大阪メトロ)長堀鶴見緑地線・今里筋線の車両は16mです。これらの路線の車内では「車両が小さい」という声が飛び交いますが、実際に車両の長さも短いわけです。

また、国内の一般鉄道で短い車両を使っているのが江ノ島電鉄です。一部を除き、江ノ島電鉄の車両の長さは12.5m。2両足しても新幹線車両1両にも及びません。これだけ短い車両が使われている背景には「S字カーブ」が挙げられます。江ノ島電鉄には道路を走る区間があり、線形に合わせるために「S字カーブ」を採用しました。このように、それぞれの鉄道会社の車両の長さと路線環境が結びついている場合もあります。

 

文・撮影/新田浩之

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