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姿を変える鉄道の「大きな駅」にまつわるエピソード

ライフスタイル

2019.10.27

人が利用できる鉄道路線には必ず駅がありますが、その大きさはいろいろ。今回は「大きな駅」にスポットを当ててご紹介します。

 

大きな駅1「行き止まり式」

「起点駅」「終着駅」「ターミナル駅」を出されて、パッと思いつく駅のスタイルは行き止まり式ではないでしょうか。行き止まり式はすべての線路が行き止まりになっているスタイルです。専門用語ですと「頭端式ホーム」とも言います。

 

鉄道ファンからすると、行き止まり式が最も魅力的ではないでしょうか。ズラリとホームに並ぶ先頭車両は心躍るシーンです。

 

日本最大の行き止まり式の大きな駅は阪急電鉄の大阪梅田駅です。大阪梅田駅には神戸本線、宝塚本線、京都本線が乗り入れ、プラットホームは10面、線路は9線もあります。日中には神戸本線、京都本線の特急、宝塚本線の急行による同時発車が10分おきに見られます。

 

 

2層になっている行き止まり式ターミナルもあります。たとえば小田急電鉄の新宿駅は1階から急行や特急などの優等列車、地下1階から普通が出発します。私もそうでしたが、初めて訪れる方は戸惑うかもしれません。

 

JRですと天王寺駅の阪和線ホームが行き止まり式で、他線のホームとは趣が異なります。これは阪和線が私鉄だったことに起因します。このように大きな駅を見ると、乗り入れている路線の歴史がわかることがあります。

 

大きな駅2「通過式」


行き止まり式と並んで多く見られるのが通過式です。行き止まり式と同じく多くのホームが並びますが、右に左に自由に往来できるのが特徴です。JR新宿駅やJR大阪駅が通過式に当てはまります。

 

関東では直通運転が増えているため、行き止まり式から通過式に変わった大きな駅があります。東急電鉄東横線の渋谷駅は2013年3月15日まで行き止まり式でしたが、3月16日から東京メトロ副都心線との直通運転を開始するにあたり、通過式の地下駅に移転しました。ヨーロッパでも直通運転しやすい通過式のターミナルが次々と建設されています。

 

一方、多くの電車が乗りいれているのに、通過式3面2線でがんばっているのが名鉄名古屋駅です。名鉄名古屋駅には岐阜、犬山、豊橋、中部国際空港などあらゆるところから列車が乗り入れます。あまりに多くの種別、行先があるため、自動放送ではなく人が話す肉声放送で対応しています。

 

通過式でも引込線が設置されると、列車を折り返すことができます。通過式は行き止まり式と比べると融通の効く駅といえるでしょう。

 

少し変わった大きな駅 

日本には少し変わった大きな駅もあります。その代表例が京阪淀屋橋駅です。京阪特急に乗っていると、1番ホームを素通りして4番ホームに到着します。筆者が小さいとき、これを知らずに「終着駅なのに通過する? よもや衝突するのでは」と肝を冷やしたものです。淀屋橋駅は種別ごとに以下のように使われています。

 

1番線:普通

2番線:普通、もしくは区間急行

3番線:主に準急、急行

4番線:主に特急

 

ラッシュ時になると1番線と4番線に電車が並ぶという興味深いシーンが見られます。なお日中時間帯は3番線と4番線しか使われていません。

 

涙の別れがあった駅 

次は海外にあった興味深い大きな駅を紹介しましょう。それがドイツ・ベルリンにあるフリードリヒ通り駅です。現在はドイツ鉄道とSバーン(近郊電車)、Uバーン(地下鉄)の駅として機能しています。フリードリヒ通り駅には1962年~1989年まで西ベルリン・東ベルリン間を通過するための検問所が設けられていました。

 

1990年までドイツはドイツ連邦共和国(西ドイツ)とドイツ民主共和国(東ドイツ)の二つの「ドイツ」があり、ベルリンも西ベルリン(西ドイツ管轄)と東ベルリン(東ドイツ管轄)に分かれていました。西ベルリンと東ベルリンの間には有名な「ベルリンの壁」が築かれ、東西間の往来が自由にできない時代でした。

 

フリードリヒ通り駅は数少ない東西ドイツを行き来できる駅。そのため、人々は迷路のような通路を通り、出入国審査を受けて「もう一つのドイツ」を行き来していました。東西ドイツ間の往来は制限されていたので、人々はフリードリヒ通り駅で涙を流しながら別れることに。日本では考えられないエピソードですね。

 

文・撮影/新田浩之

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