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世界で1番長い距離を走る列車に日本人は乗れるのか?

ライフスタイル

2019.09.04

鉄道ファン、特に乗り鉄の人はいつまで列車に乗っても飽きないもの。しかし、いつか列車は終着駅に到着します。それでは1番長い距離を走る列車は何でしょうか。今回は意外と知っているようで知らない最長距離の列車を取り上げます。

 

国内は夜行列車から新幹線へ 

日本国内では長らく1番長い距離を走る列車は夜行列車でした。

昭和時代ですと東京と鹿児島(西鹿児島駅)を結んでいた夜行列車が1番長い距離を走行。1987年(昭和62年)5月号の時刻表を開いてみましょう。

 

当時、東京駅と西鹿児島駅(現鹿児島中央駅)間、1,515.3キロを走る寝台特急「はやぶさ号」が運行されていました。東京発西鹿児島行き「はやぶさ号」は東京駅を17時5分に出発し、西鹿児島駅には13時34分に到着します。

 

一方、西鹿児島発東京行きは西鹿児島駅を13時11分に出発し、東京駅着は10時9分でした。上下とも20時間を超すロングラン列車だけに、鉄道旅行を心ゆくまで満喫できたことでしょう。東京~熊本間では食堂車やロビーカーが連結されていましたが、熊本~西鹿児島間、約3時間は2段ベッドのB寝台だけの編成でした。食堂車やロビーカーがない状態で旅人はどのように過ごしていたのでしょうか。「はやぶさ号」は1997年(平成9年)のダイヤ改正で東京~熊本間に短縮され、2009年(平成21年)に廃止されました。

 

「はやぶさ号」に代わって1番長い距離を走る列車になったのが豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス」です。「トワイライトエクスプレス」は大阪と札幌、1,508.5キロ(大阪行き)を結んでいました。この列車は沿線風景が楽しめるA寝台2人用個室や豪華なフランス料理を提供する食堂車など、まさしく「走るホテル」のような内容でした。車両の老朽化などにともない、2015年に大阪~札幌間の運用を終了しました。

 

夜行列車が姿を消す中、日本で1番長い距離を走る列車は東京~博多を結ぶ新幹線「のぞみ号」になりました。東京~博多間の営業キロは1174.9キロ、所要時間は約5時間です。夜行列車から新幹線へ。1番長い距離を走る列車はその時代の世相を表しているのかもしれませんね。

 

世界で1番長い距離を走る列車に日本人は乗れる?

次は世界に目を向けてみましょう。世界で1番長い距離を走る列車といえばシベリア鉄道を走る「ロシア号」(ウラジオストク~モスクワ)を思い浮かべる人も多いと思います。これは半分正解で半分間違いという感じ。少なくとも「ロシア号」は世界で1番長い距離を走る列車ではありません。

 

筆者が調べた限りにおいて、世界で1番長い距離を走る列車は北朝鮮の平壌とモスクワを結ぶ列車です。この列車はロシア極東のバラノフスキー駅からシベリア鉄道に乗り入れ、モスクワを目指します。総距離は1万キロ以上となり、乗車日数は平壌からモスクワが8日です。この列車は毎日運行ではなく、月に数日しか運行されません。

 

長らく、外国人旅行者にとって平壌~モスクワ間のルートは憧れであり謎でした。なぜなら、北朝鮮はほとんどの外国人に対して北朝鮮~ロシア間の国際列車の乗車を認めなかったからです。2018年になり、ようやくロシア以外の旅行会社にも解禁され、外国人観光客の乗車も認められました。ただし、北朝鮮というお国柄、自由な鉄道旅行はできず、何かしらのツアーに参加しないといけません。インターネットで調べると、中国に本拠地を置く旅行会社が平壌発モスクワ行き列車を使った鉄道旅行を募集していました。

 

それでは日本人もロシア~北朝鮮間の列車に乗れるかと尋ねられると、答えは「微妙」と言わざるを得ません。まず2019年8月現在、日本政府は日本国民に対し北朝鮮への渡航を自粛するように呼びかけています。さらに先ほど紹介した中国の旅行会社によると、列車ツアーに参加するにしても参加者自らがツアーグループをつくらないと厳しいとのこと。また北朝鮮領内における車内外の撮影は原則として禁じられているようです。観光客にとってはあまりにもハードルが高いため、情勢が安定してからチャレンジするのが良さそうですね。なおモスクワ~平壌間を結ぶ列車情報は今後変わる可能性が考えられます。十分にご注意ください。

 

いつか、日本とユーラシア大陸を結ぶトンネルができたら、「東京発パリ行き」のような列車が実現するのでしょうか。鉄道ファンとしては、そんな日が来ることを願ってやみません。

 

文・撮影/新田浩之

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